第268話 シャッターチャンス ①

カシャッ。


スラム臭の匂う警戒心に満ち満ちたドラ猫だった君が、

今やすっかりピンクドラジェなお嬢様だ。


日課の写真のフィルムを巻き上げながら

「薔薇園の茶会に出席してみるかね?」

と誘う。


浮かれる君よ。

楽しませておくれ。

私を信頼しきった笑顔が、

裏切られ絶望に歪む瞬間のシャッターチャンスを。



★☆★


どこぞの貴族(外面的には保護観察のボランティアをする名士)の遊び。

「底辺から上流に引き上げて落とす」という一連の記録撮影が趣味。

薔薇園の茶会で何が行われるかは、御想像にお任せします。

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