第242話 凍える

逆らえる筈の無い結婚。


ガタガタと震える私にはおかまいなしに、

恐怖が苛烈な業火で串刺してきた初夜。


ひょう吹き荒ぶ冷たい大地は、

身も心も凍えさせてくれたけど、

そんなじゃ、全然、足りないわ。


凄惨の地層。

無音の合唱が血みどろの腕を伸ばし靴底を掴む。


感情なんていらない。

早く、早く、心よ死んで。



★☆★


『凍える』って事は、北の国だね。って事で、

夫のイメージは、イヴァン4世ことイヴァン雷帝。

語り部の主体は、4番目の皇妃アンナ・コルトフスカヤですが、

1番目以外の7人の集合体とでも申せましょうか。


イヴァン雷帝…流石、おそロシヤの皇帝ツァーリだけあって怖すぎます。


(ロシアの信長だな~)

って印象をすぐに持ったのですが、

イヴァン雷帝(1530~1584)/ ノヴゴロド虐殺(1570)

織田信長(1534~1582) / 比叡山焼き討ち(1571)

と、生きてる時代もほぼ一緒だった。


この時代に生まれなくて良かった。


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