第188話 びっくり箱

突如、逝った妻。

半世紀。

順風満帆だったとは言い切れないが、

いい夫婦だったと思っている。


「おっ。こんな所にしまってたのか」


すっかりほこりを被った嫁入り道具の裁縫箱。

糸を通したまま針山に戻した針やハサミ

抽斗ひきだしには糸と…

「ん? 封筒?」


入っていた手紙には、

『今宵、迎えに行きます』

と書かれていた。



★☆★

★☆★


手紙の差出人は、妻が交際していた男性で、

語り部との結婚を知った男性が、

妻との駆け落ちを企てたという内容であり、

駆け落ちこそしなかったものの、

妻が半世紀、その手紙を大事に持ち続けていた。

というつもりで書いたのですが…


頂戴したコメントを読ませて頂き、

(あ、確かにこれはデス・レターだわ)

と、納得。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る