第177話 水平線
浮き輪の穴にお尻を入れて、
両手で漕いでいくのだ。
遠く、遠く、
遥か遠くのあの水平線の彼方へ。
「いざ、帰ろうとしたら、あんたの姿が見えんのやけん。もう、みんなぁ、慌てたわ。あれ、お父さんが、点になったあんたの頭を見つけてなかったら、ほんと、今頃、海の藻屑やったんよ」
5歳の私の黒歴史。
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