第170話　作曲　≪瀧廉太郎≫

これを憾（うら）まずして、何を憾めというのか。


名も無き留学生ではない。

『荒城の月』の作曲家なのだ。


「ブラームスのようだ」だと。

違う！


私は西洋音楽の猿真似楽師ではない。

私の、私だけが産み出せたメロディ。


そうとも。

何処かの誰かが「瀧のようだ」と絶賛された事を喜ぶ私に、

私はなる筈だったのだっ！



★☆★


瀧廉太郎です。

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