悍ましき異父兄──ミノタウロス。

彼を殺す為に生贄としてやって来たテセウス様の凛々しさに迷ったのは私。

私の糸玉を標に、迷宮を脱出して来た貴方。

家族を裏切った私は、もう故郷にはいられないけれど、

貴方の妻になれるなら後悔はなかった。

ゴール（アテナイ）を目指す船旅の途中、

まさか、置き去られるなんて！

★☆★

ギリシャ神話『ミノタウロスの迷宮』

語り部はアリアドネ。

ミノタウロスを異父兄にしているのは、

アテナイがクレタ島へミノタウロウへの生贄を送っていたのが９年毎で、テセウスは３回目の生贄としてやって来たそうなので、

ミノタウロスが迷宮に閉じ込められる程、成長するのにかかる年+１８年として、

未婚のアリアドネが、それより年長であるとは考え難かったからです。

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