第128話 首を絞める

男が女の首を絞めている。

もう動かなくなった細い首に力をこめ、滂沱の涙を流しながら。


馬鹿だね。

地位も名誉もあった男なのに。

一日に何人もの客をとった挙句、

梅毒に侵され、気がふれて、

もう死んでいくだけの女の為に、

殺人者の汚名を着て生きていくなんて、さ。


最も、巡り合わせたのは僕だけどね。



★☆★


僕の正体は、運命の徒。

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