第112話 公用語 ★

「おーい」

「新聞ですか? ちょっと待って下さい」


「おーい」

「はいはい。お茶ですね」


「おーい」

「煙草の買い置きなら、TVの上にありますよ」


「おーい」

「昼間っからお酒は駄目です! それより買い物連れてって下さい」


父の「おーい」を、母は間違えなかった。


「おーい」

あれは、夫婦の公用語だった。



★☆★


公用語なんて、どんな話を書いていいか解らない。


「おーい」で全てが通じた時代があったらしいね。知らんけど。

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