第032話 途中下車 ★

金銀砂子の浜辺から、漕ぎ出す帆船は宝船。

弁財天の三味線に、口々謡う回文は、

『永き世の 遠の眠りの みな目ざめ 波乗り船の 音のよきかな』


不動の彼が湊に行くに、停車駅は五つ。

いざ馳せさんと、振るわれる槌。


カツッ

カツッ

カツッ


ゴロン


放り出されて途中下車。

ダルマは浜でうたた寝る。


では、もう一度。



★☆★



『宝船の色紙を敷いてだるま落としをしてる図』です。

成功すれば、宝船に乗りますが、今回は、三つの積み木を弾き飛ばしたところで、だるまがコケました。


まぁ、無理くり感はありますが、どうにか三ヶ日を正月らしい(?)小話でまとめられたかな、と。(自己満足)

明日からは、通常運転です。

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