第2話 人を傷つけること

◯空気にも染みて傷つくこの痛みは集積所にでも捨て置きたいよ


 ※私は自分のムカムカだったり、イライラだったり、自分の不快の感情をわかって他人にも味わせている人間の方が、知らないで人を傷つけている人間より罪だと思っていたので、小説のこの言葉に出会ったときはショックだった。


 螺鈿迷宮 上 (角川文庫)/海堂 尊

 「人は誰でも知らないうちに他人を傷付けている。存在するということは、誰かを傷付ける、ということと同じだ。だから、無意識の鈍感さよりは、意図された悪意の方がまだマシなのかもしれない。」 (P131)


 確かに不快を押しつけている方は多少の罪悪感もあるかも知れないが、ない方は常識やマナーも身につかないし、人が嫌なのを知らないってもっと罪なのかも知れない。


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