花蓮と智恵実 「それぞれの夢に向かって」

佐々蔵翔人

はじめに

「美味しいスイーツとはなにか?私の願いは甘いものが苦手な人でもこれなら食べられる、そんなスイーツを私は作りたいという一心で日々研究を怠らないようにしないと」

私は七瀬花蓮(ななせかれん)15歳、愛知県に住むどこにでもいる女の子だ。愛知県と聞くと那古野市金のシャチホコでお馴染みに那古野城や商店街、そして煌びやかな繁華街や歓楽街があって県内、他の県の人からは羨ましがられることが多くある。

しかし私が住むのは那古野市ではなく、下村市と地元民しか知らないのではないかという場所で県内も知らない人が多いのではないかと思う。

それもそのはずで誰もが知るような観光地などなくてこの町には駅がなくて移動するには隣町から出ている周遊バスで駅まで行かなくてはならない。それも1時間に1本しかないからホントに不便。

私はこの町に暮らしていることがホントにイヤで仕方がなかった。同じ県なのに那古野市まで2時間もかかるってどういうこと?那古野市に住みたいな。

小学校、中学校は1校ずつしかなく、高校はない為必然的に電車で通わなくてはならない。

私はこんな寂れて何もないこの街のいい所は何かを探していた。

何かあるのか?そんなことを考えていると1日が過ぎた。何もないからこそ大切になってくるものを1つ見つけた。それは周りとの関係性だ。

寂れた街で決して人口も多くなく、いや毎年人口が減少していると言っても過言ではない。だからこそこの街の人たちは人付き合いを大事にしている。

行くところもなく、どこか出かけようにもにも自転車で行くには遠く小学生や中学生は遊ぶというと公園で遊ぶかテレビを観て翌日に語り合うことが日常だった。

話す内容は男の子も女の子もドラマを言い合っていて他の街の学校ではイジメ等が取り上げられることが多いがこの街では学校が1校でみんな仲がいい。

たまに親の仕事の都合でこの街にやってくる子もいるがみんなフレンドリーですぐに溶け込みやすい環境でこの街に来てよかったと言ってもらえることが1番嬉しい。

転校生は決まってこの街には駄菓子屋があって肉屋には美味しいコロッケがあって何よりも人の人情が厚く都会は冷たい人が多いからもっとこの街に人が来てもいいのになと言ってくれる。

私はそれは難しいかな。この街に駅はないし、スーパーも1件しかなく午後8時には閉まって街から灯りが消えるんだよ。そんな街に来たいと思う人なんていないよ。せめて何か名物や目玉があれば人が来るようになるんだろうけど。

この街の将来はどうなるのかな?統合合併するのか?名物を作って町おこしをするのかどうなるのか不安でいっぱいだった。

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