第117話 挑め! 大迷宮のダンジョン!
新作投稿しました!
「言霊使いの英雄譚 ~コミュ力向上のためにマスターした言語スキルが想像以上に有能すぎる~」
https://kakuyomu.jp/works/16816452220998947767
「ざまぁ」、「追放」からの逆転劇がお好きな方はぜひ!
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冒険者たちの間で《ビッグ・ラビリンス》という名でも呼ばれている大迷宮のダンジョン。
その入り口は、これまで潜ってきたダンジョンとはまるで雰囲気が違っていた。
「どうだ? すげぇだろ?」
テントで合流した後、俺たちはリカルドさんに内部を軽く案内してもらうことにしたのだけど……これは想像以上だ。
にぎやか。
簡単に説明すれば、その一言に尽きる。
まず目立ったのは人の多さだ。
どんなに規模の大きなダンジョンでも、ここまでの数はいない――その原因は、この場に集まっている人々自体にあった。
俺たちのような冒険者ルックの者もいれば、明らかにそうでない者もいる。挙句の果てには小さな子どもを連れた親子連れまでいるじゃないか。
この事実に驚いているのは俺だけじゃない。
これまでともにいくつものダンジョンを攻略してきたミルフィ、イルナ、ジェシカ、マシロの四人も同じ気持ちらしく、信じられないといった表情でダンジョン入り口周辺を見回していた。
「驚いたろ?」
そんな俺たちの様子に気づいたリカルドさんが言う。
「え、えぇ……まるで朝市のような活気がありますね」
「いいたとえだな。まったく的外れな意見じゃないぞ」
リカルドさんはいつもの通り豪快に笑って、ダンジョン内部へと入っていく。それについていくように、俺たちもダンジョンへ足を踏み入れたが――そこは想像とはまったく違った世界が広がっていた。
「す、凄いな、これは……」
「信じられない……」
「これがダンジョンの中なんて信じられないわ!」
「こんな凄い場所があったなんて……」
「はわわ~……」
その光景に圧倒される俺たち。
ダンジョンへ入ってすぐ――そこにあったのは間違いなく「街」だった。
建物があって、屋台があって、たくさんの人の往来がある。
俺たちが暮らしているクロエルの町と比較しても遜色ない喧騒がそこにあった。
「ここはダンジョン街と呼ばれている」
「ダンジョン街……」
「イルナは連れて行ったことがないから初見だろうけど……他のみんなも初めてか?」
「わ、私は本で知識はありましたけど……ここまでとは想像以上です」
アイテムマニアであり、うちのパーティーにおける知識の要であるジェシカでさえも初見の場所……いや、待てよ。その言い方だと――
「ほ、他にもダンジョンにこうした街のある場所が?」
「あぁ。この大陸だけでも、あと三つ存在している。ただ、規模としてはここが最大だ」
ダンジョンに街を造れてしまうほど巨大なダンジョンが他にもあるなんて……でも、思い出してみたら塔のダンジョンも出現するモンスターが強力ってだけで、造ろうと思えば可能な広さだったな。
「あそこに見える大きな門がダンジョン街の最奥部であり、あの向こう側が本当の意味でのダンジョンってわけだ」
リカルドさんの指さす先には、見るからに堅牢な門がある。
あの閉ざされた向こう側が……この大陸で最難関と言われる大迷宮のダンジョンが広がっているのか。
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