ひとつめのマッチ箱

 ラディちゃんは、肉球カーの中で、おばあさん猫のくれたマッチ箱を開けてみました。箱の中には、マッチは一本も入っていませんでした。

 外箱にもラベルはなく、一見しただけでは、ただの空っぽの小さな箱です。

 でも、片方の脇が側薬そくやくになっているので、おばあさん猫の言ったとおり、やはりマッチ箱に間違いはないようです。


 ラディちゃんもほたるちゃんもファ~ちゃんも不思議に思いましたが、せっかく、おばあさん猫がくれたマッチ箱なので、大切に持って行くことにしました。



 しばらく行くと、肉球カーの前に突然、真っ黒なかたまりが立ちはだかりました。

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