017作目 彼女は嘘をつくのがとても上手だった/國枝 藍

彼女は嘘をつくのがとても上手だった

作者 國枝 藍


金木犀の香る公園で、君はまた笑う

★★★ Excellent!!! 詩一


フリーライターにかつての恋人から届く。


『私が死ぬまでを書いてほしいの』


と言う手紙。


文字通り、彼女の願いを叶えるべく、共に過ごして話を聞いていく中で、かつては知り得なかった性質を知り、かつて通りだった彼女の良さをまた思い出していく。

それが楽しくて、嬉しくて、切なくて、怖くて……でも縋らないで、きれいにきれいに過去を新しくしていく。刹那を永久保存版に変えていく。


ブラッシュアップし尽された滑らかな文章は、一切のストレスを与えることなく読者の脳に流れ込んでいく。

本当に1万文字の中の出来事なのかと言うほど濃厚でいて、本当に1万文字もあったのかと言うほどあっさり読める。

そして読後には、得も言われぬ感情と感動が残る。

多分これは切なさ。どうしようもなく愛おしい切なさ。

最後に私はこう思った。


切なさを、ありがとう。


【作品URL】https://kakuyomu.jp/works/1177354054897139734

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る