37話:助手ティファーナ2回目

悠利「今回はティファーナさんです。2回目です」

ティファ「早くないかしら?」

悠利「すみませーん。回せる人を考えたらこうなっちゃって」

ティファ「今回は平和そうだから良いかしら」

悠利「この間のレオーネさんもですけど、何で皆そういうことを……?」

ティファ「自分の胸に聞きましょう」



悠利「暑い日は確かにしんどいですけど、洗濯物がよく乾いて良いんですよねー」

ティファ「発想がもう完全に主婦なんですよね、ユーリって……」

悠利「だって僕、主夫ですし」

ティファ「そうね。ところでルークスは何をしているのかしら?」

悠利「庭掃除と洗濯カゴ運ぶの手伝ってくれたりしてます」



ティファ「当たり前みたいに受け止めてますけど、普通の従魔はこんな風に家事を手伝ったりしませんからね?」

悠利「それはアロールにも言われました」

ティファ「解っているなら良いんですけど」

悠利「つまり、ルーちゃんが賢くて優しくて凄いってことですよね!」

ティファ「ちょっと違います」



悠利「食が細い面々の中でも、ジェイクさんの職の細さだけは本当に心配なんですよね……」

ティファ「食が細い割に無茶をして倒れますからね……」

悠利「ジェイクさん、むしろ今までどうやって生きてきたんだろう……」

ティファ「周りが世話をしてたんでしょうね。うちに来る前も」

悠利「うわぁ」



悠利「冷しゃぶは豚肉のイメージなんですよねぇ」

ティファ「そういう風に育ったということですか?」

悠利「そうですね。食べ慣れてるとかそういう感じで」

ティファ「解ります。私も、食事の好みはダレイオスおじさんの料理だったりしますし」

悠利「幼馴染み故ってやつですね」

ティファ「うふふ」



悠利「まず、全員集合のところでもジェイクさんがジェイクさん過ぎる件について」

ティファ「他が元気いっぱいの子供達なので、余計にですね」

悠利「ヘルミーネも子供枠です?」

ティファ「一応あの子、羽根人の基準では未成年らしいですから、子供枠ですよ」

悠利「なるほど……」



悠利「カミールって、気付いたらすぐにアロールにちょっかいかけてるんですよね」

ティファ「アレはアレで、あの子なりの気遣いだと思います」

悠利「遊んでるんじゃなくて……?」

ティファ「それもあるでしょうけど、自分達の枠に引っ張り込む感じなのかと」

悠利「なるほど……。流石コミュ力の塊」



ティファ「手順はわりと簡単そうですね」

悠利「まぁ、冷しゃぶって基本的に茹でた肉を冷まして食べるものなんで」

ティファ「この火を止める理由は?」

悠利「肉の種類によって固くなる温度が違うので。豚肉系の場合は、沸騰する温度より少し低い方が美味しく仕上がるらしいです」



ティファ「肉を茹でたお湯をそのままスープに活用するなんて、ユーリらしいですね」

悠利「別にお肉に限りませんけどね。野菜を茹でたゆで汁とかも、旨味が染みこんでるのでスープにすると美味しいですし」

ティファ「そうなんですか?」

悠利「そうなんです。ブロッコリーとか美味しいですよ」



悠利「スープの味付けに出汁を使ったので、マグが居たら出てくるか何らかの反応をするだろうなぁと思いました」

ティファ「その感想を否定できないのが悲しいところですね……」

悠利「何でマグはあんな風になったんでしょうか……」

ティファ「私に聞かれても解りませんよ……」

悠利「謎ですね……」



ティファ「無理に食べろと言わない辺りが、貴方らしいですね」

悠利「だって、ご飯は美味しく食べて欲しいじゃないですか。まったく食べないのは身体に悪いので何とか食べて貰おうと思いますけど」

ティファ「そういうところですよ」

悠利「はい?」

ティファ「お母さんみたいですね」

悠利「え……」



悠利「何故かよく言われるんですけど、僕は男なので、流石にお母さんにはなれないかなぁと思うんですけど……」

ティファ「そこでそういう方向で悩む段階で、貴方は本当に貴方だなと思います」

悠利「どういう意味です?」

ティファ「こちらの話です」

悠利「えー……」



ティファ「ポン酢は肉にもサラダにも合いますし、さっぱりしていて美味しいですよね」

悠利「焼いたり茹でた野菜にも合いますからね。魚にも合いますよ」

ティファ「ユーリもお気に入りですか?」

悠利「色んな柑橘でポン酢を作るの楽しいですし、美味しいですよね」

ティファ「貴方らしいですね……」



悠利「まさかカミールがお肉の味に気付くとは思わなかったです」

ティファ「あの子は、色々なことに気を配っていますからね」

悠利「流石商人の息子ですねー」

ティファ「あと、単純に貴方のご飯が好きだというのもあると思いますけど」

悠利「そこです?」

ティファ「再現しようと思ってるのでは?」



悠利「パンに挟んで食べるアロールのアイデア、美味しかったですね」

ティファ「本当に。食べやすくもなりますし」

悠利「ただ、ポン酢で味付けしてるので、サンドイッチみたいにしてお弁当にするには不向きかなと思うんですよね。水分が出ちゃう……」

ティファ「流れるようにそこにいきますか」



ティファ「それにしても、ジェイクには困ったものですね……」

悠利「珍しくちゃんと食べてくれると思って油断しました……」

ティファ「まさか、アレでお腹を壊すとは思いませんよ」

悠利「何でジェイクさんは、自分の腹具合を把握できないんでしょうか……」

ティファ「ジェイクですからね……」



悠利「最後の最後でアリーさんの拳骨が出てますからねぇ……」

ティファ「アリーだって、こんなことで大人を怒りたくはないと思いますけど」

悠利「でも、ジェイクさんには学習して貰わないと、お腹が心配ですし……」

ティファ「興味がないことは学習しませんからね……」

悠利「そうですね……」



悠利「何はともあれ、今回はありがとうございました。皆が美味しそうに食べてくれてるので、僕も大満足です」

ティファ「そんな貴方に皆が癒やされてるのも事実ですよ」

悠利「え?癒しはルーちゃんでは?」

ティファ「貴方とセットで癒しだと思いますけど」

悠利「まさかの」



悠利「それでは、今回はこの辺で。ティファーナさんありがとうございました」

ティファ「平和な回に呼んで貰って良かったです」

悠利「圧が凄い……」

ティファ「次も平和な回でお願いしますね」

悠利「圧が凄いぃ……」

ティファ「ありがとうございました」

悠利「ありがとうございました!」


(終)

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