第4話 もし学校が違っていたら
ふと思う。もし生まれた場所がここではなかったら、自分は今頃どの学校に通って、どんな友達ができているのだろうと。
もし北海道に生まれていたら、まだ雪が残る中で卒業式も入学式も経験し、窓も玄関も二重の家に住んでいたのかもしれない。
沖縄に生まれていたら、夏には友達と海に行って散々遊んだ末にしみじみしてもいい。
京都に生まれていたら、本来なら修学旅行先として特別扱いされる歴史的な建物を、あくまで日常の風景として見過ごしながら自転車通学することになりそうだ。
大阪に生まれていたら、ノリのいい友達とマクドに行ったりユニバに行ったりできた。
東京に生まれていたら、学校帰りにいろんな街のいろんな店に行ける。進学も就職も自由自在だろう。
一度考え始めたら止まらないし、考えるたびに寂しさにも似た気持ちになる。都市部に生まれたが、小さい頃に田舎へ引っ越すことになった俺。「もし引っ越さなかったらどんな交友関係になっていたか」から始まり、そこから全国へと妄想を広げるクセがある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます