第6話
「はっ!?なんだか二、三日気絶したような気がするぞ!?」
「気のせいですよ綱編様。それより綱編様が用水路に種もみを放り投げたせいで貴重な種もみが流されてしまいました。私が一部回収しましたが半分になってしまいました。今年の収穫量はかなり厳しいものとなるでしょう」
「く、そうなのか」
「じゃあ気を取り直してとりあえず朝飯を」
「何言ってるんですか。田植え終わってから晩飯一回で十分ですよ。保存食も残り少ないですし」
「そうか。なら仕方ないな」
綱編は田植えを開始した。
「まず水門を開き、田んぼに水を引き入れてください。足首が浸かる程度が理想とされています。あまり水を入れすぎないように注意してください」
「どうして水をたくさんいれちゃいけないんだ?」
「植物も生き物ですからね。人間と同じように呼吸できるようにする必要があるんです。基本葉の多くの部分が露出するなおかつ根に近い部分が水に接触し、水分を補給できるようにするのが理想です」
「なんて贅沢な奴なんだ!植物のくせにっ!!!」
姫異は綱編の頭を掴んで、田んぼの水に突っ込んだ。
「がぼがぼっ!!息ができないっ!空気を・・っ!!!」
次に姫異は綱編を釣針と糸を用いて洗濯に使う物干しざおに体を固定し、眼鏡で日光をのどぼとけに照射した。
「ぐあああああ!!み、水をおおおおおお!!!!!!」
「どうぞ」
「ごぶごぶごぶ!ぼくごぶごぶごぶごぶごぶうううううううううう!!!!」
「植物も人間と同じで空気と水と。それと太陽のバランスが重要というのがおわかりいただけましたでしょうか?」
「めちゃくちゃわかりましたああああああああああああああ!!!!!!」
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