ひょんなことから未来と過去を結んじゃいました。

なんちゃってチャンプル

第1話 私の名前は未来ちゃん

 退屈だ、毎日が平凡で退屈だ、毎日同じように学校に通い、昨日と変わらない日常に嫌気がさしている。そんな退屈な日々が続き妄想ばかり上手くなってしまったのが......


 この俺、時田 空である。


 退屈な毎日から自分が異世界に行けたらなと妄想をしていくうちに、どんどんとそっち方面に走っていってしまい、気がつけば小説作家(自称)となっていた。


 昨日までは、「隣町は異世界街!?」の連載をしていたがそれの最終話を完成させるべく、徹夜で話を作っていたせいで完全に寝不足である。


 「危ないよ、空!!」


 突然後ろから女の子の声が聞こえて振り返る空、空の背後には大型トラックが走り去りトラックの親父が「危ねぇだろぉ!!」と去り際に叫んでいた。


 「ボーッと歩いて!!今私が居なかったら引かれちゃってたよ?」


 綺麗な黒髪を揺らしながらかけてくる綺麗な女性、沙織だ。

 親が成長を見越して買ったであろう入学当初にはブカブカだった制服も今じゃジャストサイズになっている。時の流れを少し感じたが沙織の胸元を見るとやっぱり時の流れは感じない。


 「あぁ、ありがとうな沙織」


 笑顔を沙織の方に向けると沙織は嬉しそうにくしゃっと顔を笑顔にした。


 この笑顔だ、この屈託のない可憐な笑顔がクラスや同学年の男子に受けているのである。

 実際、沙織がよく告白されているところを目撃する。ルックスは抜群にいいと思う。スタイルは別だが、、


 「にしても危なかったね〜危機一髪ってやつだね」

 

 沙織はそう言いながら顔を近づけてくる。なんだかいい匂いがする。柑橘系のような香りだろうか?とにかく良い匂いだ。


 「一緒に帰る約束なのにどうして先に帰っちゃうの?」


 沙織は口元に指をあて、俺に質問してくる。

 質問の答えは簡単だ、俺みたいなフツメンのなんの特徴もない男が沙織のような美少女と歩いているところをクラスや同学年の男に見られると恨みを買いそうで怖いからである。

 しかし、そんなことを沙織に言ったところで理解はしてもらえないだろうから伝えはしない。


 「いや〜昨日のドラマの最終話を早く見たくて急いで帰ろうと思って」


 勿論ドラマなど見ていなく、適当な嘘である。しかし沙織にはこの嘘が通じる。


 「あ〜、あのタイムトラベルのドラマだね!!すごく面白かったよ〜、まさか犯人が主人公の親だったなんて思わなかった〜」


 こういうところである、仮に俺がドラマを真剣に見ていたとしたらこのネタバレは心底悔しくなる、しかし、沙織はそんなこと考えておらず、自分の考えを口に出すだけなのである。

 そのまま沙織となんてことはない会話を続けていたら気がついたら自宅についていた。

 

 「じゃあな、沙織」


 「バイバイ!!また明日ね〜」


 玄関のドアを閉じる際に笑顔で大きく手を振っている沙織が目に入り、自然と笑みを浮かべてしまった。


 「ただいま〜」


 返事はない、親は共働きで夜にならないと帰ってこない。最初は寂しかったが今となっては当たり前で何も思わない。


 帰宅後制服から着替え、早速自分の部屋へ入る。さっそく、次の小説のタイトルを考えるために色々と考えるがなかなかこれといったものが出てこない。

 こういう時は1日を振り返るようにしている。たまに神アイデアが転がっているのだ。


 夕方の沙織との会話を思い出す......


 「よし、タイムトラベルでいくか!!」

 

 すぐさまネットでタイムトラベルやタイムマシンについて調べ、自分なりに適当に組み合わせる。割とそれっぽいと思うものが出来たのであとはストーリーをつけて......


「出来た!!」


 すぐさまネットの海に投稿する。渾身の出来のために、達成感に満たされている。昨日に「隣町は異世界街!?」の連載を終わらせるために徹夜をしていたために眠気に襲われる。


 「ご飯よ〜空〜!!」


 母親の声がするので眠くて重い体を無理矢理立たせて、リビングへと向かう。


 父、母、俺の3人家族だが今日は4人分の食器が出ている。不思議に思い少し考えるがすぐに納得した。

 父はよく部下や同僚を連れてくるので今日はその日かと思い食卓につく。


 扉が開く音がしたので挨拶をするために音の方へ顔を向ける。

 そこには俺と同年代くらいの目がぱっちりと開いた茶色いショートカットの女が立っていた。

 

 「も〜遅いわよ、未来!!」


 母が慣れ親しんでいるように話しかける、それに合わせて父も「全く〜未来はいつも」と言っている。2人の知り合いのようだ。


 「初めまして、時田 空です、よろしく」


 立ち上がり挨拶をすると父と母は2人して笑い出した、何かおかしなことをしてしまったのか?そう考える。


 「も〜やめてよ、空!!寝ぼけてんの〜?」


 未来ちゃん?は俺にそう言い、隣に座る。

全員が揃ったのからか食事が始まるが、空は今の状況に困惑しており、食事どころではない。気分が悪くなり、部屋に帰る空

 

 「あら?もう食べないの?」


 「寝ちゃう前におやつを食べちゃってお腹すいてないや...」


 母を心配させないためにそう言い残し自室へ逃げ込む、知らない人間が日常に入り込んでいる、空は何か分からぬ恐怖を感じている。


 「やっと見つけたわ」


部屋の扉が開き部屋の前に女が立っている。未来ちゃん呼ばれている女だ......


 「お前は...何者なんだ?」


 空はカッスカスの声で身体を震わせながら未来ちゃん?に問いかける。


 「私は未来から来た、未来ちゃんよ!!」


 

 

 


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