第8話 例
「一つ目人間の国に迷い込んだ男が、年月が経つにつれて、二つ目の己を不具者と見てしまう。
怖いことだけれど、いつの時代でも起きている。
真理なんてものは存在していないのさ。
そんなものは時代時代で変わるものだ。
『後世の歴史家が判断してくれる』って言い訳するけれども、あんなものは詭弁だね」
「だってその時代に生きた者にとっては、後世の人間なんて関係ないだろうが。
人間誰しも、幸せになる為に生きてるんだろ?
その為に一所懸命頑張るんだろ?但し、但しだ。
欲張ってはいけない。
分相応って奴を考えなけりゃ。
戦争なんて、欲張りの人間が引き起こすものさ」
「仕掛けた方が欲張りだと、断言はできないだろうけれどね。
じっと我慢の子だった方が、もう我慢ならん! となる時だってあるだろうからさ」
立て板に水の如くに話す。
いつもこの調子だ。
例え話を組み込まれては、妙に納得せねばならないような錯覚に襲われてしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます