シーチキンって何の肉?
「ねえ、シーチキンって何の肉だと思う?」
と彼女が聞いてきた。
「え、海のチキンだから、海鳥かなんかの肉なんじゃないの?」
「でもさ、カモメを食用に飼育しているなんて聞いたことないよ? こんなに大量の缶詰がスーパーに売ってるのに!」
「んー確かに言われてみると奇妙だな」
「こんな身近なところに私達の知らない謎の肉が売られているなんて…怖くない?」
「じゃあネットで調べてみる?」
「やめなよ! もしこれが国家の凄い陰謀とかだったら、私達政府に目をつけられるかもしれないよ?」
「考え過ぎだって、ほら…ん?」
バチッと火花が散って、停電が起きた。
闇の中で部屋の窓ガラスが割られる音がする。
背後に何者かの気配がした。
冷たく鋭利な刃物が首筋に——。
「…シーチキンはマグロの肉だ」
「え?」
「…復唱しろ」
「シーチキンはマグロの肉!」
「…よし」
すると背後の気配は消え、闇と静寂だけが残された。
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