第5話 端末ID

「私の方にだけリンクがない・・・?」

ヨーコはそう言って、考え出した。

私の方にだけないということがあるかな・・・いや私を特別に認識しているとは考えにくい、ということは・・・

とつぶやいている。


「そんなことあるのかな?」

私も気になって聞いた。

ホームページってみんな同じものが見えるものではないのだろうか?ヨーコにだけ見えないということがあるのかな。


「普通はないはず」

ヨーコはそう答える。

普通は、というところがポイントだろう。

これはだれかが特別なことをしているのだろう。


「ねぇ、そのスマホってどうやって手に入れたの?」

ヨーコは私に聞いた。

彼女は私のスマホがポイントだと思ったみたいだ。

回線の可能性はなくなり、私と彼女の違いはこのスマホに絞られつつあるからだろう。


「え?パパに買ってもらったけど」

私は答える。

そう、すこし前にパパに買ってもらったのだ。

私もママもスマホのことはよくわからない、そのときは特別に会うことがゆるされて、選んでもらった。


と、言ってもすごく一般的なモデルだ。


「なるほど・・・」

ヨーコは考え続ける。

そこに答えがあるみたいだった。

しかし、パパに買ってもらった携帯だとなにか違うのだろうか。


「え?どういうこと?」

私は、ヨーコに聞いた。

彼女は引き続き思考を続けている。

それはいつもとは違いハルママが買ったのではないということは・・・と彼女はつぶやいている。


「つまりパパは端末IDを知っていた可能性が高いってことかぁ」

ヨーコはつぶやく。

パパが端末IDを知っていた??

パパがなにかしたのだろうか?


「端末ID・・・??」

私は聞き返す。聞いたことない単語だった。端末のID

・・・?

端末・・・というのはスマホのことかな

IDというのは・・・?


「つまり・・・どういうこと?」

私はしびれを切らして、もう一度聞いた。

自分で答えにたどり着ける気がしなかった。

ここはヨーコに教えてもらうほうが早い。


「つまりこれはハルにしか見えないリンクなんだ」

名探偵ヨーコはそう言って、私の方を見た。

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