痛みは血を流すだけじゃない。

心に、緩急を付けながら痛みを感じる。

休みのない痛み。

じわじわと続く何かへのカウントダウン。

どれくらいの年月が経ったのか…。耳を済ませなくても、時計のコツコツと時を刻む音だけが生きている事を、まだここに存在している事を教えてくれる。

自分が選んだ道に「迷いはないか?」と、聞かれてるようで苦しくなる。

時計の針は、行ったり来たり同じ場所から先に進まなくなった。

電池が切れるか…私が先か…


未練なんてない。

ここに何を思い残せばいいのか

思い残すんじゃない。変わるんだ。

腕をピンと伸ばし、時計を壁から外す。

(もうあなたも休む時)そう心で呟き、時計から電池を外した。




……

……


当たり前の中にある、ひとつのネジが緩み始めても、それに気付けるだろうか。

遅い。

その時には、当たり前ではなくなってるから。




当たり前のように、時につまらなく時に喜ぶ今を変えるのは、ほんの一瞬あればいい。

その一瞬が全てを変えてしまうから。

気遣いされようが、見た目では分からなかろうが、そこで心は止まる。

認めたくない気持ちと、自分が壊れない為に。

そこからの時間は、比べ物にならない程遅い。

運命の人に3回巡り会えるのなら…、例えば、人生に3回分岐点があるのなら、その3回を1回にして構わない。

お願いだから

その1回のチャンスをください…


陽の光があるように

陰る時があるように

少しでいい

未来への光をください

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る