影
痛みは血を流すだけじゃない。
心に、緩急を付けながら痛みを感じる。
休みのない痛み。
じわじわと続く何かへのカウントダウン。
どれくらいの年月が経ったのか…。耳を済ませなくても、時計のコツコツと時を刻む音だけが生きている事を、まだここに存在している事を教えてくれる。
自分が選んだ道に「迷いはないか?」と、聞かれてるようで苦しくなる。
時計の針は、行ったり来たり同じ場所から先に進まなくなった。
電池が切れるか…私が先か…
未練なんてない。
ここに何を思い残せばいいのか
思い残すんじゃない。変わるんだ。
腕をピンと伸ばし、時計を壁から外す。
(もうあなたも休む時)そう心で呟き、時計から電池を外した。
……
……
当たり前の中にある、ひとつのネジが緩み始めても、それに気付けるだろうか。
遅い。
その時には、当たり前ではなくなってるから。
当たり前のように、時につまらなく時に喜ぶ今を変えるのは、ほんの一瞬あればいい。
その一瞬が全てを変えてしまうから。
気遣いされようが、見た目では分からなかろうが、そこで心は止まる。
認めたくない気持ちと、自分が壊れない為に。
そこからの時間は、比べ物にならない程遅い。
運命の人に3回巡り会えるのなら…、例えば、人生に3回分岐点があるのなら、その3回を1回にして構わない。
お願いだから
その1回のチャンスをください…
陽の光があるように
陰る時があるように
少しでいい
未来への光をください
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます