Alius fabula Pars46 神々の計画
ある日、大神であるスプレムスに呼ばれて龍国に戻ったディバルだ。
どうやら直接会って話したい事が有るらしい。
それも口実だと思っているディバル。
(改まって何の話しだ?まさか俺の計画がバレたのか?いや、美容整形店の話しはしてないし、どうせ観てるだろうしな。その事か?それとも別の・・・やれやれ、また小言かな・・・)
下界にいる眷属には全て任務が有るので一人で転移して来たディバルは龍国の中心で待つスプレムスの元に向かった。
「それで、どうしたんだ?」
「あなた様は、もうお気づきかと存じますがこの衛星を複製して龍国を別の場所に移動させる計画を準備しております」
「あぁ・・・もう魔素は十分なのか?それに龍国での魔素発生装置が完成したんだな」
「ええ当初の予定では、もう少しで十分な量を確保できますし、装置も正常に稼働してますの」
「そうか。大地にはどの位残すんだ?」
「以前のニ%程でしょうか?ですが自然回復する分も有りますので常に五%前後になるはずです」
「そうか・・・住みづらくなる訳だ。魔法を使う者たちにとっては以前の様に使えなくなるな」
「その様に調整してまいりましたから」
「いや、精霊とかさ」
「主要な精霊に妖精などもこちらに移動させますし、あなた様の眷属は特別な魔導具を与える予定です」
「移動はいつごろの予定だ?場所は・・・裏だよな?」
「はい、具体的には
「俺の許可なんて要らないさ。ここはお前の世界だからな。俺は遊ばせてもらっているだけだぞ。・・・あっ、いや、ちょっと待て。・・・移動はもう少し先の方が良いな・・・」
「・・・何か有るのですね」
「そうだな・・・とりあえず準備が出来た説明をしてくれ」
準備。
それは月の複製だ。
魔法で質量、大きさ、模様を全く同じにして複製を作る。
元となるのは本来の月の素材だ。
複製した月を残し、龍国は自転しながら地球の衛星として公転を停止するが、太陽系公転と銀河を中心とする天転は可動させる。
移動地点は太陽を中間として地球と正反対の場所に移る事だ。
もっとも、複製した月にも簡易地下神殿を作り、龍国との転移場所とする。
その為にも地球と月にも多少の魔素を残す予定だ。
龍国の移動予定。
それは暗月(朔日、新月とも言う)に行われる。
暗月とは地球と月と太陽が一列となり、普段は太陽光が反射して光っている月が見えなくなる現象だ。
基本的は自転は残し、地球を公転していたが停止させる。
太陽系の公転に合わせて、地球の公転軌道に移動する。
銀河系の公転を計算して龍国の移動を開始するが、実際には公転軌道上で留まっている事だ。
太陽を挟んで反対側に移動するのだから。
予定の場所に地球が移動した段階で公転を始める。
また、更に大きな宇宙の動きに関しては、誤差の範囲で後から微調整すれば良いと考えているスプレムスだ。
最低限、太陽と地球と龍国の相対位置を魔法で管理しておけば、軽微な誤差は龍国で行えば良いのである。
「なぁ、向こうに移ったら地球に転移するのにどの位の魔素が必要だ?」
「かなりの量なので基本的には禁止する予定です」
「えっ、良いのか?」
「はい。一度の転移で必要な魔素量は龍人が保有する魔素の半分程なので」
「まぁ、そのくらいは必要だろうなぁ。龍人も休憩後に戻るのか」
「そうなります」
「なるほどね」
あくまでも一人の転移に必要な魔素量であり、複数や荷物が増えれば魔素量も増える。
「それと敵対する存在が現れた場合の戦闘体制と防衛体制も目処は付いたのか?」
「はい、子供たちが役割り分担してくれたので良かったわ」
「そうか。色んな戦略を立てたのだろう?」
「ええ、セプティモが中心の戦略ですけどね」
「攻めはセプティモで防衛はデネブリスか」
「その札も有るけどアルブマが中心が多いわね」
「戦況に応じてか」
「そうね。敵対する相手によりけりだけど、準備だけはしたつもりよ」
「それは結構な事だ」
ディバルには準備は万端のスプレムスに見えたが更に質問する。
「確認だが、封印は大丈夫なのか?魔素が無くなったら大変な事になるだろう」
「‼︎、それもご存知でしたか!」
封印。
それは、いにしえの時代にスプレムスが手に負えなくなり大地に封じ込めた存在だ。
「それに関しては失念してましたわ。ディバルシス様、ありがとうございます。対策を考えてみます」
「良かった。今一度全体的に調べた方が良いな」
「はい、承知しました」
「話しはそれだけだな」
重要な話が終わったと思い席を立とうとしたら腕を掴まれた。
「まだ残っていますわ。とっても大事なお話が・・・」
「話しじゃなくてアレだろ⁉︎」
「もう・・・ふふふっ」
地球から見える月の表面には沢山のクレーターが存在する。
しかし、良く考えて欲しい。
クレーターは隕石などの飛来した物体が衝突さして出来た物だ。
では地球から見える月のクレーターは何処から飛んで来たのだろう・・・
様々な説があると思うが、実際にはある生物が作ったので有る。
怒りにまかせた攻撃で谷間が出来たり、特大魔法を使って鬱憤を晴らしていたのが事実である。
もっとも同族以外には誰にも観られてないし、その事でとやかく言う者も存在しない。
☆
一連の物語の基本となっているのは嫉妬パワーである。
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