第605話 再びフェンリルの背に乗り移動を開始する
フェンリルの見つけた何かが気になります。
そして僕やオイヴィは既に十分この濃い魔素に身体が慣れたので、常山領にいた時と同様な活動ができるはず。
それに僕はこの魔素に慣れている間に通信用の魔道具を作成しました。
例の魔素を魔石に変換する国宝の魔道具を組み込み、しかもタブレットの画面で遠方とやり取りできる通信装置です。あ、動力は魔石です。魔道具からの供給と、魔石を取り換える事で使用する2つのエネルギー源です。
魔素の薄い地域では基本魔石を使用します。
魔大陸に設置した通信装置は今の所は問題なく動いてくれます。
それと共にこの通信装置の電波を増幅し常山領と王都に飛ばす装置も作りました。
精霊に頼めばいいかもだけど、こういうのはいくつかあったほうが特に有事の際は有効です。
ただこれを悪用される可能性もあるので、管理は厳しくしないといけませんが。
それと僕とオイヴィはこの通信装置を持ち歩く事にしました。
こちらはスマホがベースです。
かさばらないようにと。
もっとコンパクトにしたかったのですが、代わりの物が手に入りません。
一応スマホの中で一番コンパクトなのを選んでます。
今は日本ではスマホとかどうしてるのかな?
召喚に巻き込まれてから15年以上が経っているので、技術が進んでもっと凄いのが出来ているのかもしれませんが、それを確かめる術がありません。
手に仕込んでいたり、網膜に映し出されたりとか?
いやないか。
日本から持ち込んだ機器は劣化するのでオリジナルは全て僕が複製し収納しています。
勿論僕に何かあれば大変なので、こういったアイテムはいくつかの袋に入れて日本からやってきた妻全員に持たせています。
「ねえまだ移動しないのお?いい加減飽きちゃった。」
ああ脱線しました。早起が飽きたようですし、そろそろ行きますか。
「じゃあフェンリルにガルム、頼んだよ。」
【分かった。】
こうして移動を開始しました。
・・・・
・・・
・・
・
行けども行けども森ばかり。
道が無いのはやはり知的生命体はこの周囲にいない、という事でしょうか。
それとも地上ではなく空を移動手段にしているのであれば別ですが。
いやもしかしたら地下かも。
もし地下だとしたら誰が何の為に?
一応早起に確認します。
「早起、魔族って地上に住んでいるのかな?それとも地下で生活してたりする?」
「ええ?地下あ?そんなかわりものは・・・いるわねえ。まあ普通はあ、外だよ?」
かわりものってなんだろう?
ドワーフが地下を好んでって言うのはファンタジーでよく聞くけど、あれ?この世界にはドワーフっているのかな?
エルフはどうだったかな?
ああそうだ、オイヴィが魔王に言わせればエルフ崩れって言ってたっけ。
神聖騎士だっけ?
だからエルフはいる。
そんな事を思っていたらフェンリルが、
【そろそろだ。】
あれ?早いね。
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