第558話 報告と違うんだけど
ケルベロスを首輪で繋げ従えている。
そう聞いていたんだけど。
僕はこれは厄介ごとだと思い、自ら確認しに行きました。
そしてダンジョンに到着すると・・・・
いた。ケルベロスは確かに首輪をしているようです。
ですが従えているというのはどうやら違うようです。
多分ですが、普通の冒険者ならケルベロス相手に勝てるわけがないく、その姿を見て慌ててダンジョンから脱出したのでしょう。
なので背後の人をケルベロスを従えている、そう勘違いしたのでしょう。
ですが実際はその、確かに背後の人でいいのかな?がケルベロスを従えているのではなく、引きずっているというのが正解のようです。
背後の何かは嫌がって必死に抵抗している感じですが、それを無視してケルベロスがこちらにやってきた。
僕にはそんな風に感じます。
で、僕を見つけたケルベロスの頭のうち一頭・・・・と数えていいのか分かりませんが、頭の一つが僕を見て喜んでいるような声で吠え、僕の足元にやってきました。
どうやら依然見かけたケルベロスのようで、僕の足に頭をこすりつけ甘えてきます。
こうしていると何だかかわいい・・・・なんて思う訳もなく、ただただでかい猛獣がひれ伏す感じで、迫力があります。
で、真ん中の頭の口に何かあります。
どうやら手紙を咥えているようで、僕はそれを受け取ります。
僕に?早速中身を確認すると・・・・
【引きこもりの娘の世話に関して我慢の限界が来た。見た目はいいので犯すなり愛でるなり切り刻むなり好きに使ってくれ。】
手紙にはそれだけが書いてあります。
え?どういう事?
あの冥府の夫婦の娘?
以前引きこもりの娘がいるとかなんとか言っていたような記憶があるようなないような?
もうそれなりに年月が経っているので、どうにも記憶が怪しいですが。
じゃあこのケルベロスが引きずってきたのって引きこもりの娘さん?
僕は暫く固まってしまいました。
いやいやこれってどうすれば?
下手な対応は、あの夫婦の怒りを買うだけだし、もしそんな事になればトラブル臭が凄そう。
しかし今更どうして?
それにもし言葉通りにこの何かが娘さんだったとして、僕が預かったら預かったで、預からなかったら預からなかったでどう転んでも厄介そう。
しかもも手紙には【見た目はいいので犯すなり愛でるなり切り刻むなり好きに使ってくれ】
いや実の娘を犯してって普通は手紙に書かないし、何だろう。
困った。
このまま見なかった事にしてしまおうか?
だけどその考えは封筒の中に入っていたもう一枚の紙を持た瞬間、実行するのが困難になりました。
【手紙を手にした瞬間、こちらに開封済みの通知が来ることになっている。あとは任せた。】
これはひどい。
しかし厄介だ、本当に厄介だ。
取り敢えずこの引きこもりの娘さんの話を聞いてみよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます