第541話 もう一艘の魔道船
「常山公爵殿!」
バイエンス氏が慌ててやってきます。
「あなた方の船も用意していますからご安心を。」
因みにバイエンス氏の妻達はこの船を秘書さんから色々レクチャー・・・・つまり操縦方法から設備の使い方まで教えてもらっているので、船を渡せば後は勝手にするでしょう。
まあゲートもあるので、別に船での移動に拘る事も無いですし、馬車なんかもあるので・・・・
しかし章君と皇女様はバイエンス氏を待つまでもなく去っていきました。
それに・・・・1艘では運用もなかなか大変なので、いずれもっと必要になるのでしょうが、ロンドロックが復興すれば渡した船を参考に、自分達で作成してほしいものです。
だから2艘。
「章殿が皇女様を伴って出立したと聞き及び、急ぎ駆け付けたのですが・・・・まさか魔導船とは。」
「あ、もう一艘あるのでこれで後を追って下さい。まああっちはこちらの手の者が操作しているので問題はないと思いますが。そしていずれどこかで着地すると思うので、その時に操作している魔導船をゲートで戻してほしいのです。魔導船は収納かばんに入りますから、一艘は仕舞っておく事をお勧めします。」
「それはかたじけない!ではお前たち、急ぎ出立だ!」
早速乗り込んでいきますが・・・・
まあ船の中に色々必要になりそうなものは収納しているので、そのまま出発してもらいましょう。
「いずれ何かあればいつでもゲートで来て下さい。特にオイヴィが皇女様を心配しますから。」
「公爵殿申し訳ない!落ち着いたら必ずこちらに来ます故、今この無礼をお許し下され!」
「気にしないでいいですよ。それと操縦席に先行している魔道船の位置がわかるようにしてありますから、慌てなくても問題ないですから、安全運航でお願いします。」
・・・・
・・・
・・
・
嵐が去った・・・・
そしてその後は静寂が。
いやあ、章君ってとんでもなかったなあ。
何だろうあのテンション。
だけどあの魔王を章君が仕留めた?
しかも死体を埋葬したとか。正確には燃やしてその後骨を埋めたのでいいのかな?あ、他人の身体を乗っ取ったんだよね。
で、魔王の魂でいいのかな?それは本当に消え去ったのだろうか?
本当はこっそりひっそり、弱った力を取り戻すため、何処かに隠れてるんじゃ?
あんなに罠を張り巡らせていた魔王が呆気ない・・・・
だが、順平が生きている間に再び魔王とその眷属との接触はなかった。
滅んだにせよ、密かに失った力を取り戻そうと隠れたにせよ、もし魔王が生きていたとして、その力は戻らなかったのだ・・・・
因みに魔王が滅ぼした国は一つや二つではなく、解放するにも指導者がおらず、後に大問題になるのだが、魔王を仕留めた直後では知る由もなかった・・・・
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