第510話 食事をしながら

入浴後、今回ヘイマンス子爵領に向かう全員とアーダとザーラで食事をする事に。


そうは言っても晩餐会のような豪華なのではなく、あくまで普通の食事。

普通と言ってもあくまで公爵としての基準。


できうる限り・・・・特に食べられない食材等はない様子だったので、肉や野菜に偏りがないよう、しかもおいしく食べてもらうべく料理を提供。


どうやら皇女様一行は食に関して苦労していたらしく、


「まあ!これほどの食事はいつ振りかしら?」


皇女様は素直にそう感想を述べたのだが、

「申し訳ございませぬ。肉はともかく野菜はなかなか手に入らないのですよ。」


バイエンス氏は皇女様に弁明をするも、

「ごめんなさいね?そういう意味で言ったのではないのですわ。あなたが私達の為にずいぶんと苦労して下さっているのは知っています。言葉が足りませんでしたわね。」


そもそもバイエンス氏は皇女様の部下では、ましては家臣ではないようなので、そこまで気にしないで下さいね。と付け加えていたのだが、章君が反応。


「うめええ!おいばいきんぐ!てめえ食材の調達を任せろて言ってたじゃねえか!何でこの差なんだよ?」


微妙に違う反応を見せるも、


「料理・調理スキルの差ですな。」


「あ?そうなんか?」


あっさりと追及を止める章君。


その後は食べ物に関して誰も何も言わず、今後の流れと順平が伝えていく。


「明日、ヘイマンス領の近くまで・・・・王都までゲートで向かいます。その後はこちらでで用意する乗り物で移動します。ヘイマンス領までゲートで向かう手もありますが、もし魔王が気が付けば色々厄介なので、少し離れた場所から移動する方がいいかと思います。」


順平がそう伝えるが、順平の妻達はヘイマンス領までの距離も知っており、また順平が用意する乗り物での移動時間もおおむね知っており、何も心配していなかったが、皇女様達は知らない。



「常山殿、王都からヘイマンス領まではいかほど時間がかかるものなのでしょうか?」


バイエンス氏が質問をするが、


「そうですね、徒歩ですと3日ほどかかるかもしれませんが、僕の用意する乗り物でしたら数時間で到達しますよ。」


「ほう・・・・一体どのような乗り物なのですかな?」


「まあその辺は明日まで待って下さい。見ればわかりますよ、きっと。」


「さようですな。常山殿がそう言うのでしたらお任せします。」


「それと、足りない装備はこちらで用意しますので、食事後に選んでもらえますか?案内しますので。」


魔王と対峙する可能性があるので、装備を充実させておかないと。いざとなればその場で付与するだけの話なのだが・・・・

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