第507話 会話が成り立たない?

「さあ行くぜ!」


魔王に対抗できる人選を済ませ、向かおうとした所、何故か章君もいく気満々。いや無理でしょ?


「章君、君には荷が重すぎる。」


「は?見ての通り身軽だぜ!さっさと連れてけや!」



・・・・言葉が通じていない?


するとバイエンス氏が


「彼は終始こう言った感じですな。我々はどう扱ったらいいか分かっておるのですが、流石に会ったばかりの常山様には理解できない御仁でしょう?」


理解できないし、しようとも思えない。何だろうこの気持ちは。


「残念ながら僕には一生理解できそうにないですね。」


「まあ我々は10年向き合ってきましたからな。さて章殿ですが、常山殿が思っている以上に彼は強いですよ?魔王と対峙しても十分対処できるはずです。まあ、あんな性格ですが。」


いいのだろうか連れていっても。


「命の保証はできませんよ?」


「本人が行くと言っているので、問題ないでしょう。彼は元々勇者としてこの地にやってくるはずでした。皇女様の今は亡き姉上の事さえなければ、彼が勇者となって魔王と対峙していたはずですから。」


その経緯、さらっとオイヴィが言ってたけど、皇女様の姉が横やりを入れなければ僕は今ここに居なかった?


その姉に怒りを覚えますが、もう亡くなっているのでその怒りの矛先が・・・・


まあもう今更日本に戻ろうとは思いませんが・・・・日本に住んでいればこんなに妻を娶るという事はなかったでしょうし、沢山の我が子もいます。


今更、と言いましたが、今更戻れません。


「なんだよ?ようやく連れてく気になったんか?」


マイペースと言うか、何だろうねこの人は。


結局連れていく事になりましたが、あくまで自己責任。


一応装備は渡しておきましょうか。


魔王の魔法に対する防御、何らかの精神に干渉するようなスキルに対する対策の装備。


後は物理的な防御力を増す服。


渡したところ、その場で着替えを始めてしまう章君。


いい年した青年が、見ず知らずの女性を目の前に何で着替えるかなあ?


尤も妻達はこれぐらいでは動じませんが、


「章様、他人の前でお着替えはなさらないで下さい。」


皇女様がやんわりと章君に指摘を。


「あ?別にいじゃねえか。つうかあんたも着替えろよ?」


何若い女性にそんな事を言ってるんだか?


「私が着替えるとすれば、更衣室で着替えますわ。」


「は?面倒な奴だな。まあいいさっさと着替えてこいや!」


その章君、皇女様に着替えと言うか装備は用意してないよ?


「その、一応私にも何か見繕っていただければ、章様のお守ぐらいは致しますので・・・・」


皇女様に気を遣わすとかどうなの?

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