勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず！

第429話 白い姿

よくわからないながら、何故認識阻害のアイテムを使用しているのか、非常に興味が出てしまったわけで。

僕は認識阻害のアイテムを装着し、ついでに気配を消しました。

「あ、あれ？どこ行った？」

今の僕を見つけるのは、相当高レベルでなおかつ看破などのスキルのレベルが高くないとほぼ発見できません。

「まさか姫を狙っているの？」

まあそうなんだけど。

何かを察しているようで、僕に触れてくる獣人の2人。

だけど触れてさえ気が付かないのです。

かつて僕は風呂場でこれで逃げおおせた事があって、かなりの自信があります。

「あ、あれ？いやしかし何だか変だな。」

「触った気がするけど、なんで？」

流石は獣人。どうやら何かおかしい事に気が付き始めている様子。

こういったのは人より獣人のほうが敏感なんだろうか。

これは急いだほうがいいようなので、さっさと姫と呼ばれている獣人の背後に回り、認識阻害のネックレスを外してしまいます。

「あっ！！」

咄嗟に腕を掴まれてしまいます。え？僕を認識している？

「つ、掴んだわ！」

今僕の手には認識阻害のネックレスが。

そして今までネックレスをつけていたので、違う姿に見えていましたが、だんだんと本来の姿になっていきます。

そして完全にアイテムの効果が無くなって、本来の姿になった姫と呼ばれる獣人。

僕はその姿に目が釘付けになってしまいました。

彼女の毛と耳が真っ白だったからです。

髪の毛も耳も純白。

尻尾も真っ白。

そして最も印象に残ったのがその目。

濃い水色というべきでしょうか。ブルーアイとでもいうのでしょうか。

まるで宝石のような目です。

肌も真っ白ではありませんが、美白というのでしょうか。

「き・・・・」

「き？」

「きゃああああああああ！！！！」

え？ええ？

しゃがみこんでしかも泣き始める姫と呼ばれる獣人の女性。

「いやあ、見ないでえ！」

ええ！見ないでえ！と言われても、こんなにきれいな姿、思わず魅入ってしまいます。

「おい、いるんだろ！ネックレスかえせ！」

「このままじゃ姫がいじける！」

いじける？よくわからいけれど、元に戻しておきますか。

僕は再び背後へ回り、ネックレスを装着します。

すると元の姿へ。

僕も認識阻害のアイテムを外し、姿を現します。

「み、見た？」

「神々しいほど美しかったです。」

「え？神々しい？いやそんなはずは・・・・本当に？」

「驚いたよ。本来の姿ってあんなにきれいなんだなって。しかも白くて目があんなに青くてさ。」

「それ本気で言っている？」

「嘘ついてどうすんのさ。」

「じゃ、じゃあさ、今さっきの尻尾と耳を触る事ってできる？」

「姫駄目だ！」

「そうだよ！」

「じゃあ外してごらん。触っていいならいくらでも、喜んで！」

あれ？何かすっかり忘れてるような気がしたけど、思い出せないという事は大したことじゃないんだよね？