第414話 2人の解呪

これでやっとクサンデル氏は一人となったわけで、これでもう心配はなくなりました。


「これで解呪する上での問題が無くなりました。先ほどの部屋に戻り、靴を解呪しましょう。」


僕はクサンデル氏にそう言いますが、何か様子が変です。



みるとクサンデル氏の顔色が真っ青です。


「うぐ・・・・」


あ!っと思ったのもつかの間、クサンデル氏はそのまま倒れてしまいます。


オイヴィとヨランデ女史が駆け付けますが、オイヴィがクサンデル氏をじっと見て、


「魔力が枯渇しただけだ。何処かで休めば問題ないだろう。」


ちょっと安心しました。


仕方がないので、秘書さんに人を呼んでもらい、クサンデル氏を部屋に運んでもらいます。


・・・・

・・・

・・


クサンデル氏をベッドに寝かせ、ヨランデ女史にも別のベッドに寝てもらいます。


この部屋の性質上、訓練中の兵が倒れる事もあり、怪我でない場合、つまり単なる気絶の場合には、この部屋に備えてあるベッドで休んでもらう事があるので、幾つか常備してあるようです。


そして今2人には靴を脱いでもらい、机の上に並べています。


で、オイヴィに解呪を行ってもらいますが、万が一2人の身に何かあった場合にすぐさま対応できるように寝てもらっています。


何せ解呪するにあたって、2人のこの靴を脱いでもらいましたが、解呪した時2人に何かしらの影響があればきっと倒れてしまいます。

まあ解呪時は靴を脱いだ状態で、呪われた靴と離れているので問題ないはずですが、何せ呪いの元は魔王。

警戒しておいた方がいいでしょうし。何もなければ単なる取り越し苦労で済む事ですし。


で、オイヴィが解呪を行います。

暫くしてあっさりと終了。


「さほど強力な呪いではなかったようだ。だが念の為この靴はもう処分したほうがいいだろう。」


「この靴にこだわりがあったりする?」


一応2人に確認します。


「いえ、予備の靴もあるので問題ありませぬ。」


「私も特に思い出もないし、いいよ?」


あっさり処分に賛成したので安心しましたがこの2人、体調に問題はないのでしょうか?


「お気遣い感謝いたします、常山公爵。我は問題ないと思う。ヨランデはどうだ?」


「私も問題ないかな。」


「そうですか。まあ万が一があると厄介なので、今日はこのまま各自の部屋で休んでください。問題ないと思いますが、何かあった場合所在が分からないと大変ですので、不便かもしれませんが、明日の朝まで部屋から極力出ないようにしていただければと思います。」


「わかりました。ではヨランデ、戻るぞ。」


「はい。あ、お礼はまた後日にしますね。では。」


これで本当に終わったのでしょうか?

何もなければいいのですが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る