第267話 女性陣の話し合い その6

「あ、そう言えば伊知地さんと吉安さんに、ゲート渡してるので、それでも試してみましょうか?」


才村が思い出したのか、そう提案をする。


「そう言えば2人は何処へ行ったのでしょうか?見当たりませんね?」


森江が周りを見渡しつつ、そう言うが、皆あれ?そう言えばどうしたって顔を。


「私探してまいります。」


森江の侍女がそう言って去っていく。

「私も念のため同行します。」


才村の侍女も追いかけていった。


その間に椅子を取り出し、調べる4人。


「なんともなさそうだな。」

「普通に座っても、問題ないですねえ。」


古手と矢坂橋が早速触ったり、腰かけたりして確かめている。


その後もひっくり返したり、こすったりしながらあーでもないこーでもないと言いながら、確認をするが、やはり椅子には異常は見受けられない。


そうしている間に侍女2人と、吉安さんがやって来た。

「あら?伊知地さんは?」


「あ・・・・その・・・・ちょと調べたい事があるって、自分の侍女さんと何処かへ行きました・・・・」


いつも一緒に行動している2人が別々に行動?

そう思った一行ですが、試したい事があるので、それ以上深く思案する事なく次のステップへ。


「ええと吉安さん、あなたに渡したゲート、ここに置いてもらってもいいですか?」


「あ、はい・・・・その、私の侍女さんから聞いているので、ナンバリングは003に設定してます・・・・」


そう言って床にゲートを置く吉安さん。


早速古手がそのゲートに手をかざし、行先を変更する。


因みに最初に椅子を転送したゲートはそれぞれ001と002に変更してある。

ナンバリング001を行先に。


そしてまた椅子を置いて、起動させる。

結果は成功。


「違うゲートからもできるんですね!凄いです!」

才村は喜んでいる。


「じゃあ次は・・・・002から、003に行けるか試すわよ?」


せっかちな古手は椅子を調べもせずにまた起動。


やはり成功する。


「上手く行きました!」

才村が喜んでいるが、


「これこの後どうしますう??今度は生物ですかあ?」


矢坂橋の言葉に皆固まる。

ヘルトラウダの事が皆頭の片隅によぎったのか、次のステップに進めない。


そうしていると、ナンバリング001に異変が発生する。


「皆さん離れて!ナンバリング001が起動しています!」


皆慌てて距離をとる。


すると・・・・


一つのカバンが転送されてきた。


タブレットを見ると、

【同調 004と接続中】


となっている。004?


「伊知地さんのゲートです。少し離れた場所から起動してもらいました。」


「え?そうなの吉安さん。」


「ええ・・・・次はこちらから送り返します。成功したとメモを添えて。」


そう言って吉安はポケットからメモを取り出し、カバンに添えて再び送り出す。


この時吉安さんが慣れた手つきだったのに誰も気が付いていなかった。


暫くして、再び向こうから転送される指示が来た。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る