第205話 久しぶりの親方

「おうあんちゃん!久し振りじゃねえか!ずいぶんな活躍だそうじゃねえか!」


「その節はありがとうございました。ええとまあ、それほど活躍してないような?」


「あ?何言ってんだ!魔王を退けたっていうじゃねえか!あの魔王だぞ?ここにやってきたと聞いた時は、死を覚悟したからな。」


「え?そうなんですか?」


「へ?何言ってんだ?魔王だぞ?この近隣諸国は軒並み奴に喰われちまった。生き残ってるのはここと隣国ぐらいだな。あの帝国ですら、3日持たなかったと聞いてる。」


そのよくわかりません。あの帝国ですら、とは何でしょうか?


「それにだ、今ダンジョン、スタンピードまっしぐらじゃねえか!最初こそ外に出ていた運の悪い商人や民衆が犠牲になったが、今はあんちゃんの魔獣があふれ出た魔獣を狩り尽くしたっていうじゃねえか。おおすまんな興奮しちまったぜ!で、今日はドロップアイテムか?」


「ええ・ちょっと部屋でドロップアイテムを取り出した所、部屋中がアイテムで埋め尽くされてしまって。」

親方は受付嬢を見ます。

「なあ、そんな凄かったのか?」

「ええ親方、あっという間にアイテムで部屋中が。」

「大丈夫かここで?」

「そうですね、常山様には少しずつ出していただくほかありませんわ。」

「そうだな。とりあえずここのは全て片付けてしまおう。おまえら!作業台の上には道具一つ残さず、全て片付けろ!」


「「「「「はい!」」」」」


・・・・

・・・

・・


「まさかこれほどとは!」

「凄まじすぎます!」

「ははは。」


この解体場、大型の魔獣ですら解体できる大きさを誇り、ドラゴンも解体した事があるとか。全長10メートルとか、どんなデカさ?


その部屋が、アイテムで埋め尽くされてしまいました。

あ、一応お肉?は出してないんだよね。

床に置いちゃって汚れたら大変だし。


そうこうしている間に”火炎の罪”のメンバーが、あれ?多いですよ?どうやら各パーティリーダーだけではなく、全員やってきたようです。


「すまんな、リーダーだけでいいと言ったんだが、全員くると言ってな。」


6つほどのパーティのようですが、男だけのパーティ、女だけのパーティ、男女混成のパーティ、それぞれなようです。

因みに戦闘職でないメンバーも含まれているようですが、まあ冒険者が必ず魔物と戦わないといけないわけじゃないですからね、たぶん。

と言うか冒険者括りになってますが、物を作ったり、採取したりも立派な冒険者?


そして、いつの間にか知らない人がやってきていました。誰?

受付のお姉さんが、紹介してくれます。

「こちらは、当ギルドの代表、ギルドマスターですわ。」


「常山殿のお噂は常々聞いております。しかしすさまじいアイテムですなあ?申し訳ございませんが、今回はこの案件、王家の主導での対策が取られておりますゆえ、事実上の責任者であるアーダ様に連絡を取りましたので、鑑定中です。暫しお待ちくだされ。」


この男性、30代後半?一言で言えば紳士ですね。

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