雨とエルム
どんより 灰色の空
大粒の雨に打たれて
エルムの木の枝も俯きぎみ
いつもなら キラキラ輝いている葉も
水の重さに耐えるようにうつむいている
わたしは、水色の傘をさし
エルムの葉と同じ
うつむいて バスをまつ
しんどいときはしんどいっていおう
つらいときはつらいって顔をしよう
いつも笑っていたら疲れてしまう
エルムを覆うこの雨が
エルムの糧になるように
つらいことも悲しいことも
いつか自分自身になっていくんだから
いまはうつむいたままでもいい
エルムの葉がゆれ
ぽたり
水滴が傘にあたった
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