20日 ポレットは恋愛小説を読む 『ダンジョンマスターは〜』

「本屋ができて良かった、幸せ」

 休憩時間の終わり、ポレットは本を閉じてほうっと呟いた。

 亡国の王子が見付けた安らぎは健気な村娘。王道、ベタ、最高。

「エメさんも読まない?」

「え」

 休憩時間にもマップ情報ガイドブックを見ていたエメは、顔を上げると、お話の村娘のように瞬いた。

恋愛物ラブロマンスはよくわからなくて」


(140文字・ルビ除く)


□■□■□■□


『ダンジョンマスターはおとぎばなしを夢みてる』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054898472387


第三十五・五話のポレットさんのその後です。

ポレットさんは娯楽小説が好きで、特に荒唐無稽なラブロマンスが好きな人です。

普段仕事でダンジョンに関わっているので、ダンジョンを舞台にした冒険物は読みません。

メタにも馴染むし、いろいろと書いていて楽しい人でした。

(本編にはロクに登場させられなかったのですが)


一方でエメは、娯楽小説の類はあまり読みません。

ポレットが推す恋愛小説は、エメにはどうにもピンとこない(自由恋愛がよくわかってないし、興味もない)。

そんな調子なので、ダンジョン物なら、もしかしたら読むかもしれませんが、自分からわざわざ読みにいくほどの興味は持っていません。


それに、エメはそれよりも、ダンジョンの設計デザインを考えていたいし、ダンジョンのマップ情報ガイドブックの作成に力を入れたい。

創作クリエイトする方に頭が持っていかれてしまっているんですね。

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