第四話 そしてパパもママも亡くなりました

 みんなのママが埋められた花壇は一年中色とりどりの色んな種類の花が咲き誇りました。

 そしてあぜ道を歩く子どもたちに、お空から優しく声をかけます。

 子どもたちは念力でママの言葉を聞き暖かい気持ちになりました。


 みんなのパパが埋められた畑は四季折々豊かな野菜が実ります。

 そしてあぜ道を歩く子どもたちにお空から力強く声をかけます。

 子どもたちは念力でパパの言葉を聞き元気になりました。


 この星には争いがありません。産まれた時から多様性を知っているから、争う理由がないのです。


 この星には差別がありません。産まれた時から大切なのは心だと知っているから差別という概念すらないのです。


 この星では自分で寿命が分かります。でも誰も死を恐れません。心はなくならないと知っているからです。それに大地の大きさは決まっていると知っているからです。


 この星は科学と医学が発達しました。寿命まで愛を学ぶのがどれほど大切か、みんなのパパとみんなのママが教えてくれたからです。だから生活を助ける技術が必要なんです。


 この星には宗教がありません。たくさんの人が笑顔になるために、心で会話出来るから必要ないんです。


 この星には貧富の差がありません。貨幣という概念すら無いからです。みんなそれぞれのやり方で他人の為に働いているのを認めているからです。

 だからみんな揃って食事をして、みんなで子育てして、みんなで笑顔になり、みんなで問題を解決し、みんなで大きな感動を分かち合います。


 そして大きな大きな愛を育んでいるからです。


 最後に、この星には法律がありません。


 いやいや、一つだけありました。

 それはみんなのパパが言った最後の一言です。


「人は自分の心を豊かに成長させ、個人の垣根を超えた大きな愛を育む為に生まれてきたのです。


 だから一つだけ守ってほしい事があります。


 それは、法律の必要ない世界を守り通して下さい」




―――そう『法律の要らない世界』これがこの星唯一の法律なのです。



      おわり


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