第23話「しんじてくださーーーーーーーい!」
「「「「「ぐ、グリフォンの首ぃぃぃいいい?!」」」」」
おーおー。ビビってるビビってる。
メリッサも驚いて腰を抜かしているし、冒険者連中なんて失禁してるやつもいる始末。
しかも、
「「「「「ふ、二つもあるやんけーーーーー!!」」」」」
なんたって、グリフォン。
どう見ても、グリフォン。
そいつが、二匹分もドデーン……! と包みの上に鎮座しているのだ。
正真正銘のグリフォンの生首が二つ。
多少素材は剥ぎ取られているが、間違いなくグリフォンだ。
恨めし気に白目をむいており、舌がデロ~ン……。
腐敗もなければ、偽物でもない……。
「これが証拠だけど、不満か?」
しーーーーーーーーーーーーん……。
ふふん、と腕を組んでズン! と一歩踏み出すレイル。
「どーなんだよ、あ゛?」
そして、さらに一歩二歩。
ズン、ズン……。
その勢いとショックにロード達が全員後ずさり、そのまま腰を抜かす。
「ひ、ひぃ!」
「う、ううう、うそだろ……」
「ぐ、グリフォンです、ね……。いえ、まさか、いえ、やっぱりグリフォン……」
「じょ、ジョーク……じゃないわよね?」
「レイル……凄い」
これ以上ない証拠。
レイルがグリフォンを討伐したという噂を裏付ける証拠……。
そして、
「「おいおい……! 本物だぞ、あれ!」」
「「ま、マジか?! じゃ、じゃあレイルの言ってたことはもしかして……」」
「「と、とすると……ロード達の悪事って──」」
ドキリッ。
さざ波のようにギルド中に広がる小声にロード達が顔を引きつらせる。
そして、チクチクと刺さる視線。
噂だけならまだしも──……レイルは言ったのだ。
ロード達は、殺人未遂、暴行罪、無銭飲食────連続殺人鬼と……。
「(お、おい、ロード。こりゃ、マズいんじゃねぇか?)」
ヒソヒソと耳を寄せるラ・タンク。
「(そ、そうだな……ここは旗色が悪い。……くそ、まさか本当にグリフォンを? まさか、そんな)」
恨めしそうにグリフォンの生首を見るロード。
一体は、
ならばもう一体は?
「(一体どうやって倒したというのでしょう……。いえ、今は原因よりもここを退散しましょう、どうも空気がよくない)」
ボフォートも空気を察して、撤退を進言。
全員一致で頷く。
「「「(うんうん。そうしよう、そうしましょう!)」」」
ジト~……。
ギルド中の冷たい視線が降り注ぐ中、そそくさと荷物をまとめ始めたロードたち。
起き上がって土埃をパンパンと払うと、
んっ。ゴホン──。
「さすが、レイル。よくやったね! 『放浪者』のメンバーとしてこれほど誇らしいことはない、じゃあ後で報酬を分配しようか、宿はここにいるから、あとで──」
「ちょ、ちょっとお待ちください! ロードさん、まだお話は終わっていませんよ? これは詳しくお話を聞かないと──」
食い下がるメリッサであったが、
ロード達は何事もなかったかのように、ニコリとほほ笑むと気安くレイルの腕をポンポンと叩き親しみを込めて言うとロードは立ち去ろうとする。
だが、それをレイルが見逃すと?
「おい……」
ガシリ。
「な?!」
そそくさと立ち去るロード達。
しかし、「ちょっと待てや」と言わんばかりにレイルが近くにいたボフォートの腕を掴む。
「な、なんですか? は、離しなさい──私たちは忙しいのです、痛ッ! は、離せッ!」
言い訳もそこそこに逃げ出そうとするボフォートの腕をつかんで離さないレイル。
ボフォートは焦り、それを強引に引き抜いて逃げようとするのだが……あれ? 抜けない──…………。
「な、なんで?!」
なんでレイルの拘束ごときが抜けない?
Sランクのボフォートの力がDランクのカスに負けるなど──…………あッ!!
「言ったよな、ジャンプして、フライング土下座するって──」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます