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 そんな日々がしばらく続いて。


 彼は、いなくなった。


 こんな日が、いつか来るって。分かっていたけど、それでも、つらかった。切なかった。


 たぶん。彼はもう、生きていない。


 彼自身の中にある、どうしようもなくつらくてくるしいものに、彼は呑み込まれた。もう彼は、どこにもいない。私だけを残して。彼はいなくなってしまった。


 最後のセックスを、なんとなく思い出す。身体の感覚。いつも通りだった。いつも通りでしかない。彼の、触れてはいけない心の奥に。触れようとして、触れられなくて。そんな、くすぐったいセックス。


 私は。


 彼にとっての、帰る場所ではなかった。


 でも。


 彼の愛の、終着地点になりたかった。私は。彼のプラットフォームに。なりたかった。


 彼は。


 もう、いないのに。


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