404 蠱惑
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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「セレンを使おう?ねぇ ソレが良いよ!」
それは部屋の扉を開けた瞬間に聞いた初めの言葉だ
「こっちの報告で書いてあるゴロツキはどうでも良いんだけどさ、みんな頼り無いし ね?そうしよう」
日頃から制御されている事項、、
いや、玩具とでも言った方がしっくり来るか
言訳無く解禁出来る良い機会だとでも思ったのだろう
「だって多分だけどコイツ等って動きからして只の強盗とかじゃないでしょう? このタイミングで来たんだしキーロを持って行こうとしてるんだよね?」
足をバタつかせ、瞳を輝かせるソレからは後ろめたさ等、微塵も感じられない
「えぇこういう連中が急に動くとは驚きです、通常の考えではありませんから恐らく、、あの巫女絡みでしょう」
「だとしたら逃がしちゃダメな訳じゃん? じゃあ、使おうよ」
少女?の方は戻った従者を気にする事無く前のめりに続けた
「絶対もう少しデータ取っておいた方が良いんだって!音響付けた場合の範囲とか!効果のあった民衆がどういう動きをするとかさ! あ、でもあの娘に知られたらいい加減怒っちゃうか」
その問いに
主は少しだけ時間を使い
「いえ、実際あの子の能力には私も興味があります」
軽くこちらを見てから答えた
「でしょう?」
「お言葉ですがレイ様、セレンはなんと言いますか、少なからずヴェヌ相手に誤魔化す様な言い回し等出来ませんよ?」
これは何も隠す事では無い
そのままの意味である
「構いませんよ?私としての、、キドナとは別の意味ですから 常々考えてました、王の眼が効いているうちはフェリスやルイと違って暴走する事は無いでしょうが『把握』はしておかないとですし」
それを聞いてそのまま飛び跳ねるかの様
「良いね決定!じゃあバミーが戻って来ちゃうと二度手間になるから僕も下に行っておくとするよ、まだ全部聞けてないんでしょう?」
少女?は嬉しそうに入口へと駆け出した
「えぇ、私達も戸締りを終えたら直ぐ向かいますので報告は手短にと伝えておいて下さい」
「宜しかったのですか?」
青髪の青年は静かに大窓を閉じる
そんな問いには溜息の一つ漏らさず
「これだけ時間が掛かってしまった原因が騎士等である事も事実です、彼等は無駄に正義を翳(かざ)しているが故に強硬手段(きょうこうしゅだん)に出るのが遅過ぎる」
飄々と並べた
その後は冷めた紅茶を片付け
「、、綺麗事だけで生きてこられてしまった者達ですから仕方ありませんよ」
本音を吐いた
きっと関係無いんだろう
「だとしたら団長さん達にもそういったバランス面、教育をしっかり行って欲しいものですねぇ 本当に」
通常通りだ
「時間の限られる中、軍師であるレイ様が請け負い過ぎなのでは?」
「ふむ、、ではニール、貴方が何処かの団を率いるというのはどうでしょう」
「ご冗談を、力不足で申し訳ありませんが十二分に手一杯、ヴェヌの連れて来た連中にでもやらせては如何ですか?」
「それこそ乗っ取られそうだ あぁ怖い怖い」
通常
「失礼ではありますが、連中は本当に彼女と同じなのですか?」
通り
「ふふ、どういう意味でしょうね」
・・・
「同種で無いとはいえ、、頭の回る者が数名しかいない様に思えます」
「その数名をしっかり監視しておいて下さいね」
「えぇもちろん、ですのでセレンの件は尚更」
「まぁまぁ、とりあえず彼女が帰って来るまで黙っておくとして」
「最悪キーロ君を失う訳ですから」
「夜の報告ではあっちの男をキドナが欲しがっているとでも伝えておきましょうか」
そう溢すと席を立ち
悪魔と吸血鬼の待つ地下へと向かった
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