191 追憶
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
今から20年程前
海に囲まれた一つの国がありました
本来、国と呼ぶには大げさな程小さく、水が綺麗で食べ物も美味しい田舎の様な所でした
ある時、隣に位置するとても大きな国から騎士達がやってきました
戦争だ土地争いだとかそういう物騒な話では無く、商売の話とかそういうものだと聞いた気がします
何分自分も子供だったので「格好良い」くらいにしか思ってませんでした
今思えば騎士などでは無く科学者か、はたまた呪術者か、そういう部類の者だったのかもしれません
騎士達が出入りする様になってから数ヶ月くらいでしょうか、ある日大人の人達が仕事中に大怪我をしまして、、
いえ、大怪我なんかでは無く普通なら即死レベルの事故です
港仕事の作業中、三人が荷物の下敷きになりました
奇跡的に、両足を失っただけの人が目を覚ましました
最初は特殊なケースだとか言う者もいましたが、その日のうちに二人目が息を吹き返してしまって
・・・
異常な現象
その日からですね、色々と狂い出してしまったのは
原因は直ぐに分かりました、いや、知らしめられたと言えば良いのでしょうか
次の日
原因追及の為、治療の為に大きな国のお医者様をお呼びしました
ですが救援に来たのは医者でも、ましてや騎士やら科学者なんかでも無く
ただ眩しい
悪魔の光でした
ソレが何だったのかは分かりません
気付いた時が何日後だったのかも分かりません
自分の周りに散らばっている様々な 家族、仲間、知人 だったであろう何か
見渡す限り建物等は何も無く、自分の身体も普通な状態ではありませんでしたし意味が分からなかった
何度も夢なんだと思いました、死にたいと願いました
ですが残念な事に
頭部が残っていると死ねないらしく
偶々、生き残ってしまった者を手当たり次第に探して
潰して周りました
今思えば埋まってしまっていた者達もいたのでしょうが、、、
そこに現れたのがジルバ様達です
その時はやっと自分も解放されると思っていたのですが
保護され、治療され、育てて頂き、稽古を付けて頂きました
復讐の為に
2/13 13:00
「いててて、まず一話と言う具合ですが、大丈夫でしょうか?」
シフはゆっくりと上体を起こし皆の顔色を伺う
「凄まじいのぉ」
「シフ殿、、」
「言葉に出来ないと言いますか」
バルはそれでも口には出来たらしい
隣のジンは読んで字の如く言葉に出来ず、飲み込む事で精一杯だ
「はっ、通りで頑丈な訳だ、ついでに吸血鬼化で再生能力が手に入ったと」
「少しでもシエル様の強固な盾になれればと思いまして」
「けっ、胸糞わりぃ が安心しろ、本当にどうにもならなくなったら責任を持って私が浄化してやる」
「ふふ、ありがとうございます」
「クックック高貴な種族、我ら吸血鬼をそう易々と浄化出来るとでも思っているのか? 我が眷属(けんぞく)とて脆弱(ぜいじゃく)な貴様の」
「お嬢様そういうの良いんで」
巫女シエルにはもはや見えてすらいないのか、幼女の言葉に反応する素振りは無いのだが従者がしっかりと場を繋いだ様に見える
「ジルバ様がお酒を持って来たら続きをお話ししましょうか」
「あ、あののその!シフ殿、その~辛かったらまた明日とかでも良いのだぞ?」
エルフが今にも泣きだしそうな表情で何故か分からないが隣に座る赤鬼の頭を撫でる
「コレ、ちっちゃいあっちのやつらにやりたいんか?それとも自分を落ち着けてるんかの?」
「なんで明日なら良いのか分からないけど、そうですね、また今度でも」
「いえいえ、不確定だったので言わなかっただけでもう隠す事も無いですし 考察交じりですが皆さんには聞いておいてもらっても良いかなと思っていますので」
従者の表情に曇った様子は無く、むしろ憑き物が取れたかの様にも見えた
黙々と皿に盛った食材を綺麗に平らげていく少女?の背中を一度見てから
相変わらずの爽やかな微笑みを見せる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます