51 集会

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



8/19 12:10


「ダメダメ、お前そんなん 巫女の暗殺依頼なんか出す連中だぞ!絶対危ないじゃん、俺でも分かるわ   あ、これラフィもどうぞ~」

亭主がエルフの前にもハンバーグを置く


「いや、でも時間が経てば経つほどあっちも失敗した事に気付くので早めに動くのは悪くないかもですよ?」

意外にも少女の提案にバルが乗っかる


「あ~確かにのぉ、仮にも暗殺計画の一部をギルド側で加担してしまってる訳じゃ、下手すればここも危ないかもしれんぞ?  うんせっと」

赤鬼は相変わらずのスピードで瓶を空にしてしまったらしく保存庫へと向かう


「ほら!ねっ?行こうよ  あたしこう見えても足だけはすっごい早いんだから」

アルは食べ終わったスプーンで片足をカンカン叩く


「お行儀よ! え~、だからってお前な~、、ってかもうそういう系はツッコんでも大丈夫なもんなのか?」


「え?何が~?」

本当に分かっていないのかあっけらかんとした顔をしている


「しかしのぉ危険にゃ~変わりない、戦闘になる事を考えるとアルはともかくジンは行かん方が良いじゃろな」

何本かアルコールを抱え再び自分の席に着く


「く~、10代の女子にも勝てないのか俺~」

(転生者としてどうなんだ!?少しくらいトレーニングとかしてみるか?)



そう、悔しいのだがこの機械少女アル

買いたい物でもあるのか「お金が欲しい」とか言って来た、、

ので簡単な依頼をやらせてみたのだがこの娘、なんと二日間で魔物討伐依頼をやってのけたのだ

しかも4つも!

しっかりと片付けて来た訳ですよ

(正直こっちとしては辛いですよ)



「あ、じゃあ正式な依頼として俺とこのエルフを雇うってどうですか?  気になる事もありますし、水質検査の依頼の報酬も兼ねて頂いてきますよ!」

バルが食べ終わった食器を前に出す


「バルが行ってくれるなら心強いけど、その~  ラフィは戦えるの? なんかキャラじゃないというかなんと言うか」

ジンは自慢のハンバーグに夢中になっている田舎者を横目で見る


「その子、ちょっとポンコツですがすっごい強いですよ?」


「マジで!?」


キラキラした瞳で頬張るエルフがやっと亭主の声に気付く

「むぐ!?  ど、どうした?」

飲み込んで口の周りを丁寧に拭き取る


「あ~えっと、バルと~このアルって子と~パーティーを組んで向かってもらえないかな~って話なんだけど」

簡素な説明をしつつ、グラスに水を注ぐ


「あぁそういう事か、全然構わないぞ?外の世界で勉強をして来いとバルに言われているのでn」

「そうなんですよ! 世間知らず過ぎて少し色々と連れまわさないとかな~って」

バルがエルフをちろりと見る



「ん~、じゃあ大丈夫そうなのか~? それならまぁよろしく頼むわぁ」


「アルも気を付けるんじゃよ~」


「あれ?カセンは行かないの?」


「お~?言ったじゃろ、ここも危ない可能性があるって ジンはあっしが守ってやるぞ」

赤鬼はにしし顔で酒を煽る


「アラヤダ男前、、嬉しくて泣きそうだよ」

(なんで逆の立場じゃなかったんだろうな~)




本日森から出て来たばかりという事もあり、出発は明日の早朝と決めた

バルとラフィは早々に宿舎で休んでもらい

ジンは書類と手紙の作成

アルは店で本を読み

カセンはアルの隣でまだ飲んでいる




「のぉ、アル」


「ん~?」


「なんで遺跡に行きたいんじゃ?」


「な、、何の事かな~」


「別に隠さんでも良いと思うがのぉ?  アルは最初『遺跡町』に行こうではなく『遺跡』に行こうって言うとったじゃろ?」


「なんでそういう所よく聞いてるかな~、、別に? ほら、なんか面白そうなモノあるかもしれないしさ」


「遺跡内は危ない機械だらけらしいからのぉ? 何か狙いがあるんでも本当に気を付けるんじゃよ?」

赤鬼は立ち上がりアルの頭を撫でくりまわす


「あ~もう髪があああ   ん、まぁ ありがと」


「カカカカ  さ~ってじゃあ今日は久々にあっしと風呂に入るか~」

そう言うとアルの腕を掴み風呂場へと向かう


「ちょ、ちょっと もう一人で入れるってば  ねぇ離してってばあああああああ」











8/20 5:00


早めに、あまり意味の無い開店準備を終わらせ

入口にて三人の出発を見守る


「これ依頼主への手紙とか請求書とかの書類、聞いてくれる様な相手なら使って?あとこっちが三人分の握り飯ね、道中にでも食べて」

亭主からの朝食が配られる


「ありがとうございます、こちらも何かあるかもしれないので気をつけて下さいね」

バルが受け取りカセンを見る


「お~こっちはあっしに任せとけい」


「ねぇ」

アルがジン、カセン、バルを見る


「なんで誰もツッコまないの?」



・・・



「ねぇってば   え、コレ あたしが言った方が良い感じ?」


「え、いや、うん、俺には理解不能過ぎて」


「、、、」


「あっはっはっは、いやぁ可愛いじゃないか」


一同は一斉にエルフを見る


「ちょっと派手過ぎたか?」

ラフィは少し照れ臭そうに、そして不思議そうな顔でアルを見る


「いや、ってかあんたさ その格好  なんなの?」

アルがラフィの服を指さす


「む?  白はダメだったか?」


「色とかじゃ~な~く~て~」



「なんでドレスなのよぉ!!」



その言葉に


自分と周囲の格好を何度も見返す






「??  パーティーに行くのだろう?」






ツインテールの少女は息を大きく吸い込んだ








「そのパーティーじゃねえええええよおおおおおおおおおおお」

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