第8話 悪魔との契約



 機は熟した。


 彼女は私の期待に応えたらしい。


 とうとう復讐を決意したのだ。


 退屈をこらえて、待ったかいがある。


 私と悪魔は、決意した彼女の前に姿を現した。


 今度は、彼女は躊躇わずに頷いた。


 彼女、いや悪役令嬢ディアナの復讐物語がここから幕を開けるのだ。


 誰から復讐するの、という私の問いに、彼女は迷わなかった。


「まず家の人間にするわ」


 最初に思い浮かんだのは家族だったらしい。


 私は手を叩いて喜んだ。

 親近感を覚えてしまう。


 彼女は、自分に自由を与えなかった家の人間を恨んだ。


 家の者達は、自分の家からディアナのような人間が出た事を、ひどく恥じているようだった。


 だから、ディアナはもっと恥じてもらおうと考えた。


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