(二)-7

 彼女は嬉しそうな顔も見せず、目をそらしながら「あんた、何しにきたのよ」と言った。もっと喜んでくれてもいいのに。それとも、本当は凄く嬉しいのかな。

 ともかく、お花を渡したら「あんた、気が利かないわね。そういうものを持ってきたら、花瓶にささなきゃダメでしょう」と言われてしまった。口調はきつかったが、語気には元気がないような感じもした。

 僕は花瓶を持って洗面所に行き、水を入れて花を差した。未来子さんは少し元気がなさそうだったけど、大丈夫そうでよかった。そうだよ、検査だけだもんな。すぐ退院して仕事に復帰する。そう考えることにした。


(続く)

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