第二十話 食後の情報会議
「依頼については、もう少し待ってくれ」
そう言った議長は
保護した立場と最高決定者として、動いてくれるらしい。
“12歳の兵士でもない女の子を参加させるのに苦言を出す”
「依頼を下げるまではには、至らないだろうね?」
それが、キースの見解だった。
お茶を飲み、キリッとした?顔でセリが言う
「作戦会議。」情報を求めた。
その瞳には好戦的な色が浮かぶ
「まあ、情報提供は惜しまないけどお〜。」
他の騎士が退出したので、カナンが普段のようになった。
少々、セリの雰囲気に押されている。
「ワタシもヨ」
シュルトの商人情報も加わるようだ。
グスタフは沈黙する。どちら側に着くというのはない。
「どちらかと言うと今の状況を知っておきたい。」
セリが、キースに視線を向けると
微笑んだが、甘い顔に騙されてはダメだ。
「今回、相手方は議長の権限を乗り越えるために
全騎士の隊長に手を回した。つまり。領分が違うんだよ?」
議長は『極北の城』で全権があるが、
騎士にも決定権がある、今回依頼の形にしたのもソコを突いてる。
「目的は、私の排除?」
ロードがギュッとセリを守るように抱き締めた。
それに気づき、セリがぽんぽんと腕を叩いておく。
これを聴いておかないと、対策が取れないからね!
「いいや?騎士の威厳を保ちたいって感じかなあ。」
キースの視点ではそうなのだろう。それだけじゃないと言っているようだけど、セリにはそこまで手が届かない。
「催事にかこつけたのが証拠だな。」グスタフの見解も入った。
呼び出す事もできた筈
接触を申請する事もなく
住人の目の前で、やり合いたいようだ。
「女の子を担ぎ出そうなんて、騎士の名折れじゃないカシラ?」
シュルトは怒ってくれているらしい。
セリはまあ、舞台が用意されたのなら
その中で勝ち筋を見つけるだけだと気合が入る。
そこにカナンが捕捉を加える。
「あー。ガキどもがやらかしただろ?
詳細を知らない奴らからの不満が噴出してな。
…セリちゃんの力量を測りたいらしい。」
冷風が気になりながら語った
カナンからの裏事情に、呆れたムードが漂う。
「脳筋らしい結論ダワ。」
それを承認した上層部にも、問題はあるが。
他に思惑が動いているのか?
キースは沈黙で示す。
「拒否すれば、他の手を使ってくる。
ここで出場すれば、後々に強くは攻めてこれない。」
グスタフの総括に、セリは答える
「力を示せって事?」
住民相手であれば、ありえない要請だが
セリは受けて立つ気だった。
「それならば、協力しよう」
ロードがセリを抱きしめて言うが、
強すぎてセリから「ウッ」と呻き声が出た。
「身体強化の魔法から、鍛えよっか?」
カナンが差し伸べた手を握ったセリだった。
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