第三話 組織編成

「まあ、身近な事を知るのも勉強よ。」


お茶を淹れなおしてくれたシュルトが話を再開する。

身近な職業として、ここの兵士の話を聞いいたためだ。


セリも砦にいた時、組織の一員だったので飲み込みやすいと考える。


「この極北の城に居るのは8部隊。


第1部隊は、騎士の精鋭。

危険な魔物の討伐に出る、ここの主力ネ。


第2と第3は、砦からの攻撃のため配置にされてるの。

よく周囲の巡回をしている部隊よ。


第4は、衛士の部隊。他の部隊の状況で各部隊に入れられるそうヨ。

出動がなければ、薬学の勉強と研究していて研究棟でよく会うワ。


5、6は防衛ね。

門を守って、待機場に詰めている兵士。


7、8が新人だから、そことの鍛錬も合同でやっているワ。」


セリが見ていたのは、5から8の部隊のようだ。


「カナンはどこ?」

「第2の情報担当〜。」


今はキースの護衛の筈が、情報の担当とは?

「休暇明けにすぐで、何かやったかと思ったってーの。」


聞く前に、ここに配属された当初の話が始まった。

休みの代わりに送り込まれたというが、ちょっと変わった役を思わせる。


じゃなきゃ、この場に居られる理由が必要かな。

この部屋に来たのはキースが言い出したこと。


ロードの事を把握しておきたいのかと思う。

自分という不穏な人物が近づいたから?


巻き込まれたのは、グスタフ。

世話するとして関わってきたのシュルト。


となると、カナンは?


実際はセリの護衛である。


「ここの鍛錬は環境がキツいから、問題児が来るって聞いてたんだよ〜」


(雪を投げてきた新兵とか?)


「新人の登竜門とも言われるんだったカシラ?」

帰還した頃に、辞める兵士が多いらしい。


「ロードはどこに入るの?」


「客扱いね。グスタフも所属はなくて研究の方で協力しているの。」

そういう立場もあるってことか。


砦では関係者ばかりの閉鎖的な状況だったので知らない。



「後は商人が、勉強と商売のために来ているってトコ。

信用のある者しか滞在させないの。薬学の塔もあるし、情報交換も捗るワ。」


事情も聞いて、一番思うのは

「まず、鍛えたいかな。」


療養は終わり外出のできたが、セリには能力を上げたい気持ちがあった。


魔導具は購入を考えているが、作る方ではない。

学ぶなら薬学だが本が、読めるくらいで専門家に習うには早い。


「薬学は専門すぎるから、まず料理は?」


シュルトの案は、ロードの部屋で調合の基本の前に、作業工程に慣れる方が良いと受け入れた。


それとは別に

「稼げる方法はある?」とセリは尋ねる。


ロードのお金とは別に、考えたい。


「孤児院へのお土産を買いたい。」

いくらで、何があるかもわからないけど。


「付与魔法はどうだ?」グスタフの助言が入った。


「魔導具に使う魔石に魔力を注入する

魔法が使える者が小遣い稼ぎにやっている。」


「やりたい!」


この研究室か、ロードとセリの部屋でグスタフがいる時にやることになった。


鍛えること

料理を習う、付与魔法で小遣い稼ぎ。やれる事が絞れたのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る