37
「俺は美咲と結婚したい。美咲が突然そんなこというから、全然用意してなくて焦った。やっぱりプロポーズは男からしたいだろ?」
私は恐る恐る花束を手にする。
真っ赤な薔薇の花束は圭佑さんの気持ちが詰まっていて、ずっしりと重い。
「……なにそれ。……嬉しい。」
私は照れた顔を隠すように花束に顔を埋めた。とても良い香りがして、それだけでクラクラ酔いしれそうになる。
嬉しくて嬉しくてたまらない。
さっきまでの心配は一体なんだったのか。
一人でぐるぐる考えて、一喜一憂してしまうのが何だか恥ずかしい。
「……よろしくお願いします。」
私は花束に顔を埋めたまま返事をした。
圭佑さんの大きくてあたたかい手が私の頭を撫で、胸が張り裂けそうなくらいにぎゅううっとなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます