第16話 11.12日目 私のタコの世界
少々忙しかったので、今日は、変則。
5分で読書参加作品の
「振り向けばタコがいる」
皆さんに、いっぱい読んで頂き凄い感謝です。
いいお話ですね。って言って頂き凄い気恥ずかしい思いをしています。
この物語、ハッピーエンドだから良かっのかな?
でも、この物語の最後に出てくる、このセリフ
『心が変われば、見える風景が変わる。』
実は……読者の皆さんに宛てた言葉なんですよ。気づきました?
皆さんの心が綺麗だから、このお話がハッピーエンドに見えるんです。
私のように心が歪んでいれば、バッドエンドにも見えるんです。
この物語の主人公の『僕』の名前、知ってます?
えっ!
そんなの『結城君』でしょ!
それは、アナタの心がキレイなんです。
実は、この主人公の名前、特定してないんですよ。
単に五十嵐さんが、男の子に対して結城君って声をかけただけ……
すなわち、結城君=僕では無いかもしれないんです。
ハッピーエンドを見た人は、結城君=僕と見た人です。
バッドエンドを見る人は、結城君は、僕とは別人と見た人です。
さて、もう一つの仕掛けは、この物語で名前が出てきたのは誰でしょうと言う事です。
一人は結城君。
もう一人は、五十嵐さんですね。
この二人以外は、名前は出てきません。
『僕』にとって五十嵐さんは特別な存在なのです。
そして、話の最後では、五十嵐さんから、五十嵐翔子さんに変わっています。
すなわち、『僕』にとって五十嵐さんの存在が変わってきた、より近いものとなっていたのです。
そこに現れた結城君。
五十嵐さんと仲良くする結城君。
ジェラシーです。
でも、これだけだと単に失恋物語ですね。
次に這えずる音とタコです。
ハッピーエンドを見た人は、這えずる音は、よく分からないが、何かの不安の象徴と見たことでしょう。そして、何よりタコは、じいちゃんの生まれ変わり。じいちゃんが僕を死んだ後も見守っていたと感じたことでしょう。そして、じいちゃんが、何か分からぬ這えずるものから僕を守ったのだと……
バッドエンドを見たい私のような人。僕がトイレで籠もり泣いていたとき、遂に這えずるモノに囚われてしまったかもって見るかもしれませんね。猜疑心が極限まで高まった僕は、周りの同級全てが敵に見え、もはや人として見れなくなっています。自分を守るためには、この訳の分からぬ敵を排除すればいい。ある意味、吹っ切れた瞬間です。後は、それをいつ実行するのか。笑顔を作り、時期を伺います。周りに悟られれば逃げられる。懸命に笑顔を作り誤魔化します。
そんな時、目の前に結城君が現れたのです。
五十嵐さんに近寄る最悪の敵が。
行ってきます!
そう、今日が、決行日!
そんな僕をタコが嬉しそうに見送ります。
まさにタコは僕を黒く染め上げる悪魔。
いや、僕自身の心なのかもしれません。
このバッドエンドをハッキリと見せるために、本当はね……次の文章を赤黒く染め上げたかったんですよ。
『朝日に照らし出された水平線が、キラキラと輝いている。』
この白く美しい言葉の中に、全く異質な言葉をぶちこみたかった。
『このナイフの刃のように』
実際、入れてみたんですよ。
この言葉入れた瞬間、読者の評価がダダ下がり。目に見えて反応が出ました。
流石に、ちょっとヤバい……
読者のみなさんが見たくないものなんだ!と直感しました。
すぐさま、元の文章に戻しましたよ……
だから、ほぼ皆さんハッピーエンドを見ています。
でも、この話を聞いて、心が変われば、この物語の世界はどんな色に見えますか?
コレが僕の仕掛けたホラーです。
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