097
ひたすらアイテムを生産し続けること数時間。生産スキルが5まで上がったところで、俺たちは作業に区切りをつけた。以下が生産によって得られたアイテムである。
■生産アイテム一覧
銀のかなづち 武器のエンチャントに使用する。
HPポーション(大)最大HPの50%を回復。
HPポーション(特大) 最大HPの70%を回復。
HPポーション(紫)HPを10,000回復する、CT無し、他HPポーションとの重複使用可能。
迅速のポーション 移動速度を10%上昇。
etc……。
「色んなアイテムがたくさん作れたな。とりわけ一時的にステータスが上昇する〝特殊ポーション〟類は自分たちで使ってもいいしオークションに出してもいい。これからかなり重宝するだろう」
「珍しいアイテムね。わたしが見た時は、こんなの〝生産可能アイテム一覧〟に無かったはずだけど……どうやって作ったのかしら」
コトハが紫ポーションをしげしげと見て言った。
「それがリズの能力だよ。カタクラフトは生産可能アイテムを拡張することができるんだ。あとは味方にバフを付与したり、支援型のロボット――イージスを召喚したり、ちょっと変わった力を持っているのが特徴かな」
「すごく便利な能力なのね。――でも待って、もしかしてこのポーションを全部飲んだらわたしたち最強になれるんじゃない!?」
「安心しろ、そんな雑な仕様にはなっていない。特殊ポーションは重複使用不可でどれか一種類しか効果が発動しないぞ」
「む、むむむ……」
出鼻をくじかれたコトハが言葉を
「それにしても有用性が高い。効果はもちろんのこと、これだけの数があればしばらくは困らぬのではないか。常にバフを維持できそうなのだ」
大量のポーションを前にフィイが感心した。
「素材がどれもコロシアムにいるモンスターばかりだからな。レベリングついでに入手できるし効率がいい。過剰な分はオークションに回そう。これで安定した金策ができるはず」
「よくわかんないけど、おにいちゃんはすごくかしこいってこと?」
リズが俺の
「賢いというより知識を備えているだけだよ。この世界のことならだいたい知ってる」
「そうなんだ……それじゃあリズのこともたくさん知ってる?」
「いや、それはまだ会ったばっかりだし」
「だったらこれからいっぱい知っていってね。……おにいちゃん」
そっとリズが俺の腰に手を回す。それからというものの、リズのすりすり攻撃が止まらない。彼女はあと何度俺の腹に頬を擦りつけるつもりなのだろう。
『ジーーーーー』
そして俺はあと何度白い目を向けられるのだろう。コトハとフィイの殺気めいた視線が怖いんですけど!? ああ、どうしてこんなにも
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