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 ひたすらアイテムを生産し続けること数時間。生産スキルが5まで上がったところで、俺たちは作業に区切りをつけた。以下が生産によって得られたアイテムである。



■生産アイテム一覧

 銀のかなづち 武器のエンチャントに使用する。


 HPポーション(大)最大HPの50%を回復。


 HPポーション(特大) 最大HPの70%を回復。


 HPポーション(紫)HPを10,000回復する、CT無し、他HPポーションとの重複使用可能。


 迅速のポーション 移動速度を10%上昇。


 強靭きょうじんのポーション 最大HPを1,000増加。


 勇猛ゆうもうのポーション 物理攻撃力を20増加。


 神妙しんみょうのポーション 魔法攻撃力を20増加。


 叡智えいちのポーション クリティカル発生率を2%上昇。


 理運りうんのポーション 幸運値を10増加。


 etc……。



「色んなアイテムがたくさん作れたな。とりわけ一時的にステータスが上昇する〝特殊ポーション〟類は自分たちで使ってもいいしオークションに出してもいい。これからかなり重宝するだろう」


「珍しいアイテムね。わたしが見た時は、こんなの〝生産可能アイテム一覧〟に無かったはずだけど……どうやって作ったのかしら」


 コトハが紫ポーションをしげしげと見て言った。


「それがリズの能力だよ。カタクラフトは生産可能アイテムを拡張することができるんだ。あとは味方にバフを付与したり、支援型のロボット――イージスを召喚したり、ちょっと変わった力を持っているのが特徴かな」


「すごく便利な能力なのね。――でも待って、もしかしてこのポーションを全部飲んだらわたしたち最強になれるんじゃない!?」


「安心しろ、そんな雑な仕様にはなっていない。特殊ポーションは重複使用不可でどれか一種類しか効果が発動しないぞ」


「む、むむむ……」


 出鼻をくじかれたコトハが言葉をにごらせる。そんないかにも納得いかないみたいな顔をされても現実は変わらんよ。


「それにしても有用性が高い。効果はもちろんのこと、これだけの数があればしばらくは困らぬのではないか。常にバフを維持できそうなのだ」


 大量のポーションを前にフィイが感心した。


「素材がどれもコロシアムにいるモンスターばかりだからな。レベリングついでに入手できるし効率がいい。過剰な分はオークションに回そう。これで安定した金策ができるはず」


「よくわかんないけど、おにいちゃんはすごくかしこいってこと?」


 リズが俺のすそを引きながら言った。


「賢いというより知識を備えているだけだよ。この世界のことならだいたい知ってる」


「そうなんだ……それじゃあリズのこともたくさん知ってる?」


「いや、それはまだ会ったばっかりだし」


「だったらこれからいっぱい知っていってね。……おにいちゃん」


 そっとリズが俺の腰に手を回す。それからというものの、リズのすりすり攻撃が止まらない。彼女はあと何度俺の腹に頬を擦りつけるつもりなのだろう。


『ジーーーーー』


 そして俺はあと何度白い目を向けられるのだろう。コトハとフィイの殺気めいた視線が怖いんですけど!? ああ、どうしてこんなにも世知辛せちがらい、世知辛いのだ!!

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