16.今日はここがいいんだ!

「うぅ…ん。‥…熱い。」

そうか?

僕は温かいぞ?

それに寝やすいし…。

ぐぅ~…。


「ん?‥‥ちょっ…嘘でしょ?なんでお腹の上で寝てるのよ…。」

フフンッ!温かいからに決まってるだろ?

グリグリグリッ。

「押してる押してる!鳩尾だから!苦しいよ!もうっ!」

僕は苦しくはないぞ。

「んもぉ~…今日は甘えん坊なの?」

違う。

クールな僕はそんな事しない。

今日はちょっと君にくっついていたい気分なだけなんだ。

そこ!そこそこっ!

耳と首の所を掻いてくれ。

優しくだぞ!


「ふふふっ!今日は可愛いなぁ~!」

僕はいつもカッコイイ。

間違っても可愛いっていうなよ。

まぁ…今日は気分が良いから許してやるよ。


「よし!朝ごはん食べに行こっと!よいしょ!」

あっこら!

よっと!

「うわっ!えっ?なに?抱っこすんの?重いよぉ~。」

重くない!

軽いわ!軽くてびっくりするぐらい軽いわ!

「ちょっ痛い痛い!わかった!ちゃんと抱っこするから、爪立てないで!」

ふん!初めっからちゃんと抱っこすれば良いものの。

ワガママ言うからだぞ!


「あら?今日は仲良しさんなのね。」

「うん。そうなの朝から私のお腹の上で寝てて離れないし。今も、抱っこしないと態々

、爪を立てんの!酷くない?」

「あはははっ!しょうがないわよ。あんたが居なかったのが

よほど寂しかったのよ。」

「えっ?そうなのかな!」

…。

‥…違う。

断じて違う。

今日は、たまたま一緒にいたい気分なんだ。

そうたまたま…偶然…気分なんだ。


「さぁ~て!ご飯食べよっと!降りて。」

嫌だ。

「おっ降りてよ…。」

嫌だ。

「よっ‥いてててっ!爪!爪が痛いって。」

知らない。

「なんで、降りてくれないのよぉ!」

だから、今日はここが良いんだ!

絶対降りないからな!

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