第14話
3月。
当時勤めていた学校の教頭先生が異動することになった。
すごく良くしていただいて、
私は勝手に親戚の叔父さんみたいに思っていた。
ある日の放課後。
何でだったかは忘れたけど、2人で職員室に残っていた。
当時、私は医学部に行きたいってことを人に言えなかったので、
青年協力隊に入りたいから勉強してるとか言ってた。
「前から思ってたけど、行きたいのは海外じゃないだろ?」
先生に言われた。
「ばれました?」
「見てたら何か違うかなって。おれ、どうせいなくなるから、いってみ」
「私ねー…」
私ね…
本当は医者になりたいんです。
発達障害の子が、もっと生きやすい世界にしたいんです。
病気で苦しむ子を減らしたいんです。
虐待で死ぬ子なんて、0にしたいんです。
心のSOS抱えてる子を助けたいんです。
何より
子どもを助けられる知識と技術が欲しいんです。
もう目の前の子どもに対して何も出来なかったって後悔するのは絶対に嫌なんです。
考え甘いですよね。
こんな私みたいな人が何を言ってるんだって話ですよね
でも、これが私の夢なんです。
いつか、世界中の子どもたちが笑って学校に通えるようにしたい
「笑っちゃうでしょ?」
先生は
「笑わねーよ」
って言った。
「すごい夢じゃん。何それ、かっこいいよ。」
「それが叶ったらどれだけの子どもが助かるんだよ。すごいよ、それ叶えようよ。」
教頭先生。
先生が初めてでした。私の夢を笑わず、真剣に聞いてくれた人は。
何度言っても足りないです。
ありがとうございます。
私、昔やってた、ちゅらさんってドラマが大好きだったんですけど、
その中にこんな言葉があったんです。
天職って言葉は、英語でcallingって言うんだ。神様に呼ばれてるってね。
神様。呼んでくれていますか。
私、頑張るので、もう諦めないので、全部かけるので
お願い、呼び続けてくださいね。
私は覚悟を決めた。
全部、人生全てを医学にかける。
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