第8話
「ともかく、金がねぇんなら家から
叩き出すぞ」
俊也が間違の胸倉を掴んで激しく
揺さぶった。
「反対だよ、それは」
「やかましい!」
俊也が間違の腹を膝蹴りした。
間違が腹を押さえて蹲った。
「宝くじなんかでも買ったんじゃ
ないだろうな」
俊也がヘラヘラしながらたずねた。
間違はドキッとしたが、
「まっ、まさか」
と何とか惚けた。
「そりゃ、そうだ。当たるわけない
もんな、あんなもの」
俊也が言い捨てた。
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